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リースバック NHK「あさイチ」で問題点を提起!住宅の押し売りトラブルに注意

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お笑いコンビ「博多華丸・大吉」がキャスターを務めるNHKの人気情報番組「あさイチ」でも問題点の注意喚起された住宅の「押し売り」ならぬ「押し買い」トラブルです。

その中でも特に問題となっているのが、「リースバック」という不動産取引です。

老後資金の確保などを目的に、住み慣れた自宅を売却してまとまった資金を得ながら、その後は家賃を払って同じ家に住み続けられるこの仕組みは、一見すると非常に魅力的です。

しかし、その手軽さの裏には大きな落とし穴が潜んでおり、契約内容を十分に理解しないまま、相場より著しく安い価格で自宅を手放してしまったり、高額な家賃を請求されたりといったトラブルが全国で急増しています。

国民生活センターへの相談件数も年々増加しており、契約当事者の約7割が70歳以上というデータもあり、特に高齢者が悪質な業者のターゲットにされている実態が浮き彫りになっています。

なぜ、このようなトラブルが後を絶たないのでしょうか。そして、大切な資産である自宅を悪質な業者から守り、「カモ」にされないためには、私たちは何をすべきなのでしょうか

  • リースバック NHK「あさイチ」で問題点を提起!

「リースバック」とは?

まず、リースバックがどのような仕組みなのかを正しく理解することが、トラブル回避の第一歩です。

リースバックの仕組み

リースバックは、「セール・アンド・リースバック」の略称で、以下の流れで進められます。自宅の売却:所有している自宅(戸建てやマンション)をリースバック事業者(不動産会社など)に売却します。

現金化:売却代金を一括で受け取ります。この資金の使い道は原則自由です。
賃貸借契約:売却と同時に、その事業者と賃貸借契約を結びます。
居住継続:毎月家賃を支払いながら、これまで通り同じ家に住み続けることができます。

リースバックのメリット

リースバックには、利用者にとって以下のようなメリットがあります。

 

  • まとまった資金の調達:老後資金、医療費、事業資金など、様々な用途に使える現金を短期間で確保できます。
  • 住み慣れた家での生活継続:引っ越しの必要がなく、生活環境を変えずに済みます。近所に売却したことを知られにくいのも利点です。
  • 維持費の軽減:所有権が移転するため、毎年かかる固定資産税や、マンションの場合は管理費・修繕積立金の支払いがなくなります。
  • 将来的な買い戻しの可能性:契約内容によっては、将来的に売却した自宅を買い戻すことも可能です。

リースバックのデメリットとリスク

一方で、以下のようなデメリットやリスクも存在します。これを理解しないまま契約を進めることが、トラブルの温床となります。

  • 所有権の喪失:当然ながら、自宅は自分の資産ではなくなります。そのため、相続財産ではなくなってしまいます。
  •  売却価格が市場価格より安くなる傾向:通常の不動産売却(仲介)に比べ、売却価格は市場価格の60%~80%程度になるなど、安くなるのが一般的です。
  • 家賃の発生と割高な設定:売却後は毎月の家賃支払い義務が生じます。この家賃は、周辺の家賃相場よりも高く設定されるケースが多く見られます。
  • 住み続けられない可能性:賃貸借契約が更新できない「定期借家契約」の場合、契約期間(2〜3年が一般的)が満了すると退去を求められる可能性があります。
  • 買い戻し価格が高額になる:買い戻しが可能な場合でも、その価格は売却時よりも高くなるのが一般的です。

なぜトラブル急増?「あさイチ」でも指摘された悪質な手口

リースバックのメリットだけを強調し、デメリットを十分に説明せずに契約を迫る悪質な業者が増えています。特に、判断能力が低下した高齢者がターゲットにされやすい傾向にあります。

悪質な業者の典型的な手口です。

  • 不安を煽る強引な勧誘:「このままだと家を維持できなくなりますよ」「今売らないと損します」などと不安を煽り、冷静な判断力を奪って契約を急かします。朝から夜まで10時間以上にわたり居座って勧誘する「押し買い」のようなケースも報告されています。
  • 相場を無視した不当な買い叩き:利用者が不動産相場に詳しくないことに付け込み、市場価格からかけ離れた安い査定額を提示します。
  • 不利益な契約内容の説明不足:専門用語が多い契約書の内容を丁寧に説明せず、意図的に利用者の理解が不十分なまま署名・捺印させようとします。特に、賃貸借契約の種類(普通借家契約か定期借家契約か)や、修繕費の負担区分といった重要な点について、曖昧な説明しかしないケースが目立ちます。
  • 非現実的な買い戻し条件:「いつでも買い戻せますよ」と口では言いながら、契約書には買い戻しに関する明確な記載がなかったり、法外に高い買い戻し価格が設定されていたりする場合があります。

 

こうしたトラブルは、単なる契約上のすれ違いではなく、利用者の生活基盤そのものを揺るがす深刻な問題です。住み慣れた家を不当な条件で手放し、挙句の果てには高い家賃を払えず退去せざるを得なくなるという、最悪の事態も想定されます。

カモられないための5つの鉄則!

悪質な業者に騙されず、後悔のないリースバック契約を結ぶためには、慎重な準備と確認が不可欠です。以下の5つの対策を必ず実行してください。

対策1:必ず複数の業者から査定を取る

一つの業者の話を鵜呑みにするのは非常に危険です。最低でも3社以上のリースバック事業者から査定(見積もり)を取り、売却価格や家賃設定を比較検討しましょう。

これにより、提示された条件が適正な範囲内にあるのかを客観的に判断できます。通常の不動産売却の査定も併せて行い、自宅の市場価値を把握しておくことも重要です。

対策2:契約書は隅から隅まで読み込む

リースバック契約は、「不動産売買契約書」と「賃貸借契約書」という2つの重要な契約書で成り立っています。

以下の項目は特に注意深く確認し、少しでも不明な点があれば、業者の担当者に納得がいくまで説明を求めてください。

  • 売買価格:提示された金額に納得できるか。
  • 家賃:金額は妥当か、将来的に値上げの可能性はないか。
  • 賃貸借契約の種類:「普通借家契約(原則更新可能)」か「定期借家契約(期間満了で終了)」か。長く住み続けたい場合は「普通借家契約」が基本です。
  • 契約期間:いつまで住むことができるのか。
  • 修繕費の負担:給湯器の故障や雨漏りなど、家の修繕が必要になった場合の費用は誰が負担するのか。特約で借主(あなた)の負担範囲が広く定められていないか確認が必要です。

対策3:買い戻し条件を明確にする

将来的に買い戻しを考えている場合は、その条件を必ず書面で残すことが鉄則です。「口約束」は絶対に信用してはいけません。

  • 買い戻し価格:具体的な金額が明記されているか。
  • 買い戻し可能期間:いつからいつまでに権利を行使できるのか。
  • 特約の内容:「再売買の予約」や「買い戻し特約」として、契約書に明確に記載されていることを確認しましょう。

対策4:長期的な収支シミュレーションを行う

リースバックでまとまった資金が手に入っても、その後の家賃の支払いが生活を圧迫しては本末転倒です。

自身の年金収入や貯蓄などを基に、提示された家賃を将来にわたって安定的に支払い続けられるか、冷静にシミュレーションしましょう。

対策5:一人で決めず、第三者の意見を聞く

契約という重要な判断を、決して一人で行わないでください。まずは家族や信頼できる親族に相談し、事情を共有することが大切です。

さらに、契約内容に不安がある場合は、弁護士や司法書士、宅地建物取引士といった専門家や、自治体の消費生活センターなどに相談することを強く推奨します。

契約を急かす業者には特に注意し、その場での即決は絶対に避けましょう。

※アフィリエイト広告を利用しています。
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この記事を書いた人

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独身でマンションを購入し、売却を経験した管理人です。失敗や後悔をすることがないように経験から得られた知識を発信することでマンション購入のお役立ちとなるように願っています。「マンションは管理を買え!」と言われるように、購入して後悔のないように願うばかりです。理事長や副理事長の経験もあり、管理委託費の削減も行いました。

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