監事には理事会の議決権はありません!監事も半数改選がスムーズに
マンションの理事会では、賛成か反対か議決を問う場面に遭遇します。
気を付けて頂きたいのは、監事の議決権を行使して賛否にカウントすることのないようにしなければなりません。
その理由は、監事の役割を見れば明らかです。同席した管理会社の担当者がチェックを行うべきですが、なぜかスルーされるケースも多いです。
理事長や理事になったら、ルールを守って議決したいものです。
- 監事には理事会の議決権はありません!
- 監事も半数改選がスムーズです
■ 目次 ■
監事には理事会の議決権はありません!
監事の役割は、重要な役割だと思います。総会で「相違ありません。」と発言すれば良いだけの楽な役割では実はありません。
監事は、理事長よりも責任重大であるかもしれない大役です。お間違いのないようにご認識願います。
マンション標準管理規約の第41条(監事)には、監事の役割が明確に示されています。
監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
4 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
5 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。
7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。
マンション標準管理規約の第41条(監事)
理事会の中では、ある程度の意見を交換した後に「この議案に賛成の方挙手願います」と採決を行う場合があります。
採決によって、マンションのルール変更を伴う場合や工事内容の決定などマンション管理に影響を与える重要な内容が含まれる場合があります。
その時に気を付けて頂きたいのは、監事の扱いです。監事は、マンション標準管理規約の第41条(監事)4項で定められているように、理事会で意見を述べることは出来ます。
ですが、議決権を行使して、賛否に加わるということはできないのです。なぜ監事は、賛否に加わることが出来ないかと言えば透明性が失われるからです。監事は、理事会を構成する者ではありません。
監事の役割は、管理組合の活動がきちんと行うことができるのかをチェックする役割です。それなのに、監事が賛否に加わるときちんとしたジャッジが出来ません。
ボクシングやサッカーなどの試合に、審判員(レフリー)自身がプレーすると、正しい判定が出来ません。試合として成り立ちませんよね。審判員(レフリー)の役割は、正しいルールの下で試合を行っているのかジャッジするのが仕事です。
同じように監事が、賛成や反対に挙手をするなどして議決権を行使することは、理事会でプレーする選手と同じということになります。
審判員(レフリー)は公平でなければなりません。賛成側/反対側どちらかかに有利に働いてはなりません。正しく理事会が行われているのかどうかを監視するのが監事の務めなのです。
自らプレーしながら、自らチェックを行う。どう考えても不自然で納得が得られないでしょうね。
監事の役割は、管理会社の担当者は知っているはずです。理事会のメンバーは素人かもしれませんが、管理会社の担当者は、プロですから知らないはずはありません。
しかし、同席した管理会社の担当者は、監事が議決権を行使しても黙っている場合があります。例え監事の議決権がなくても賛否が定まったとしても監事の役割について言及する管理会社であるべきと考えています。
もし、何も言わない管理会社であったならば、理事会の方からアドバイスをするのが管理会社の役割であることを指摘すべきです。
ただ理事会に同席すれば良いのではなく、適切なアドバイスを行うべきです。
監事も半数改選がスムーズです
「半数改選でスムーズな理事長決定で効果の高さを実感した」で綴ったように、当マンションでは、理事の任期は2年で、半数改選を定めています。
半数改選を定めた時は気が付きませんでしたが、半数改選となった年に気が付いたのは、「監事も半数改選した方が良い。」ということでした。
マンション標準管理規約の第35条(役員)には、役員の役職と人数が定められています。通常ですと、監事の人数は1名と定められています。(規約で変更することは可能)
ですので、監事の人数を2名に変更する手続きが必要となりました。理事の半数改選と合わせて議案化すべきだったと思いました。
監事も2名で行うことになり、新米(1年目)の監事が先輩(2年目)の監事にどのように監事を進めるべきかが分かり、引継ぎも容易となりました。
怪我の功名なのは、監事も半数改選とした結果、理事長を含めた理事の人数が奇数となったことです。
理事会で、賛成と反対が同数ということがなくなり、必ずどちらかに決定することが出来るようになりました。
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管理会社に任せきりの理事会ではいけません。必要に応じた適切なアドバイスを求めることは良いですが、理事会の主体はあくまで管理組合にあるということをお忘れなく。
管理委託契約書の中にも、「理事会支援業務」が定められていますが、適切な理事会支援が行われているのかチェックも必要です。
複数の監事を置き、監事のチェックが適切に行えているのか相互牽制する体制だとなお良いと思います。
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