駐車場の専用使用権は転貸はできる?マンションの注意点を解説

「マンションの駐車場を持っているけれど、車を手放して使わなくなった」「せっかく駐車場の専用使用権があるのだから、誰かに貸して収入にできないの?」と考えたことはありませんか?
特に車を所有していない区分所有者にとって、使っていない駐車場は少しもったいなく感じますよね。(私も「使わないなら誰かに使ってもらえばいいのでは?」と思ってしまいそうです。)
しかし、マンションの駐車場に専用使用権が付いているからといって、自由に第三者へ転貸できるとは限りません。
さらに、自分がマンションを賃貸に出す場合には、「住戸を借りる入居者に駐車場もそのまま貸せるの?」「駐車場使用契約は自動的に引き継がれるの?」という問題も出てきます。
この記事では、マンションの駐車場に専用使用権が設定されているケースを前提に、車を所有していない場合の転貸、賃貸中の入居者への貸し出し、賃料の決め方、事故が起きた場合の責任、マンションを賃貸に出した場合の駐車場使用契約について分かりやすく解説します。
- 専用使用権付き駐車場は転貸できるのか
- 賃貸中の入居者へ駐車場を貸せるのか
- 駐車場の転貸賃料を自由に決められるのか
- 事故や損害が発生した場合の責任
- マンションを賃貸したときの駐車場契約
■ 目次 ■
駐車場の専用使用権は転貸できる?

まず気になるのが、「自分は車を持っていないから、専用使用権のある駐車場を他人に貸したい」というケースです。
結論として、専用使用権があるというだけで、自由に第三者へ転貸できるとは考えないほうがよいでしょう。
マンションの駐車場は、土地や建物の共用部分との関係があり、その使用方法について管理規約や駐車場使用細則などでルールが定められていることがあります。
例えば、区分所有者本人が使用することを前提としている場合や、駐車場を使用できる者を「区分所有者」「その同居人」「専有部分の賃借人」などに限定している場合があります。
「自分の専用使用権なのだから、空いている期間だけ友人に貸しても問題ないだろう」と考えるのは危険です。(空いている場所を有効活用したい気持ちは分かります。)
まず確認したいのは、管理規約、駐車場使用細則、駐車場使用契約書に転貸に関する規定があるかという点です。
転貸が禁止されている場合には、第三者へ駐車場を貸すことはできません。また、明確な禁止規定が見当たらない場合でも、管理組合や管理会社へ確認してから利用するほうが安全です。
【関連記事】マンション管理組合は駐車場トラブルにどう向き合うか
専用使用権付き駐車場をマンションの賃貸入居者に貸せる?
では、自分が所有しているマンションを賃貸に出して、その入居者に専用使用権付き駐車場を使ってもらう場合はどうでしょうか。
これは、単純に「専用使用権があるから入居者にも自由に使わせられる」と考えないことが重要です。
マンションによっては、専有部分を賃借している入居者が駐車場を使用できる規定が設けられている場合があります。
一方で、駐車場使用者について別の条件が設定されていることもあります。
- 区分所有者本人のみ使用できる
- 区分所有者と同居する親族が使用できる
- 専有部分の賃借人も使用できる
- 管理組合への届出が必要
- 駐車場使用契約の変更が必要
- 車両登録や使用者変更の手続きが必要
そのため、マンションを賃貸に出す場合には、住戸の賃貸借契約だけを考えるのではなく、駐車場についても確認しておく必要があります。
特に注意したいのが、「部屋を貸せば駐車場も自動的に付いてくる」と考えてしまうことです。
住戸の賃貸借契約と駐車場の使用契約は、別々に確認することが大切です。
マンションを賃貸に出したら駐車場使用契約も自動的に引き継がれる?
マンションを賃貸に出すとき、「今まで自分が使っていた駐車場を、そのまま入居者に使わせたい」と考えることがあります。
しかし、ここでも「自動的に引き継がれる」と決めつけないほうがよいでしょう。
駐車場の使用資格や契約関係は、マンションごとの管理規約や駐車場使用細則、使用契約の内容によって異なります。
例えば、区分所有者本人から賃借人へ使用者を変更する場合に、管理組合への届出や新たな使用申込みが必要になることがあります。
また、駐車場の使用者が変わることで、車両番号や車種などの登録情報を変更しなければならないケースもあります。
そのため、マンションを賃貸に出す前に、「住戸の賃貸」と「駐車場の使用者変更」を別々に確認することをおすすめします。
管理会社へ「この部屋を賃貸に出します。現在の駐車場を入居者に使わせたいのですが、どのような手続きが必要ですか?」と聞いておけば、必要書類や手続きを確認できます。
駐車場専用使用権を転貸するときの賃料は自由に決められる?
「駐車場を転貸できるなら、月額2万円で貸そう」「近隣の駐車場が3万円だから2万5,000円にしよう」など、賃料を自由に決めたくなるところです。
しかし、転貸が認められている場合でも、賃料を自由に設定できるとは限りません。
マンションの駐車場使用料について、管理規約や駐車場使用細則などで一定の金額や算定方法が定められている場合があります。
また、専用使用権そのものの性質や、管理組合との駐車場使用契約がどのようになっているかによっても考え方が変わります。
例えば、管理組合へ支払う駐車場使用料が月額15,000円だからといって、第三者へ月額30,000円で貸して差額15,000円を自由に利益として受け取れる、と単純に考えることはできません。
(これは「空いている駐車場で副収入!」と考える前に、規約を確認したほうがよさそうですね。)
転貸を検討する場合には、「転貸そのものが認められているか」と「賃料を誰がどのように決めるのか」を分けて確認しましょう。
駐車場の専用使用権を転貸して事故が起きたら誰の責任?
駐車場を第三者へ貸す場合に忘れてはいけないのが、事故や損害が発生したときの責任です。
例えば、転貸した駐車区画で借主の車が別の車に接触した場合、駐車場を貸している所有者だからといって、すべての事故について当然に責任を負うとは限りません。
事故の原因や、実際に誰が車を運転していたのか、駐車場の設備に問題がなかったかなど、具体的な事情によって責任関係は変わります。
一方で、転貸契約を結んでいる以上、「私は車を運転していないから一切関係ない」と考えるのも危険です。
駐車場の利用ルールを借主へ伝えていなかったり、契約上の義務に違反していたりすれば、別の問題が発生する可能性があります。
また、駐車区画そのものではなく、マンションの共用部分で事故や設備損傷が発生した場合には、管理組合との関係も問題になることがあります。
転貸を認めてもらえる場合には、借主に対して駐車場内のルールや車両登録、利用時間、事故時の連絡方法などを明確に伝えておくことが大切です。
駐車場の転貸を考えたら管理規約を確認しよう
ここまで見てきたように、専用使用権付き駐車場の転貸は、「自分の権利だから自由に貸せる」と単純には判断できません。
確認したい資料は、主に次のとおりです。
- マンション管理規約
- 駐車場使用細則
- 駐車場使用契約書
- 管理組合からの駐車場に関する通知
- 専用使用権に関する規定
特に、「転貸禁止」「使用者の資格」「賃借人の使用」「使用料」「使用契約の変更」という言葉を探してみましょう。
規約を読んでもよく分からない場合は、管理会社に確認する方法もあります。
ただし、管理会社はあくまで管理組合から委託を受けて管理業務を行っているため、最終的な権利関係については、管理規約や契約書の内容を確認する必要があります。
また、管理組合としても、個人の区分所有者が駐車場を第三者へ転貸することで、利用者の把握ができなくなることには注意が必要です。
車両登録や緊急連絡先などの情報が必要なマンションでは、転貸を認める場合にも一定の手続きを求めることが考えられます。
「使わないから貸す」前に確認したいこと
車を所有していない人にとって、専用使用権付き駐車場は「使っていないのに費用だけかかる」という悩みになることがあります。
特に、車を手放した後も駐車場使用料を支払っている場合、「誰かに貸せればいいのに」と思うのは自然なことです。
しかし、マンションの駐車場は一般の月極駐車場とは違い、管理規約や使用細則などによって利用方法が決められている場合があります。
そのため、「空いているから」「自分が権利を持っているから」という理由だけで第三者へ貸すのは避けましょう。
まずは規約を確認し、転貸が可能なのか、賃貸入居者なら使用できるのか、管理組合への届出が必要なのかを確認します。
もし転貸が認められていないのであれば、勝手に駐車場を貸すのではなく、管理組合へ相談してルール上可能な方法がないか確認することも一つの方法です。
まとめ|駐車場専用使用権の転貸は規約確認が先
マンションの駐車場に専用使用権が付いていると、「使わないなら他人に貸してもいいのでは?」と考えがちです。
しかし、専用使用権があることと、第三者へ自由に転貸できることは同じではありません。
車を所有していない場合でも、まずは管理規約、駐車場使用細則、駐車場使用契約書などを確認することが重要です。
マンションを賃貸に出す場合も、住戸の賃貸借契約と駐車場の使用関係を分けて考える必要があります。入居者が駐車場を使えるのか、使用者変更の手続きが必要なのかを、事前に管理会社などへ確認しておきましょう。
また、転貸が認められる場合でも、賃料を自由に決められるとは限らず、事故や設備損傷が発生した場合の責任についても注意が必要です。
「使っていない駐車場だから、誰かに貸せばいい」と考える前に、まずマンション独自のルールを確認すること。これが、駐車場の専用使用権をめぐるトラブルを防ぐ第一歩です。
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