【マンション】縦管の詰まりの原因は?上階・下階への影響と対処法

マンションで生活していると、「最近、水の流れが悪い」「排水するとゴボゴボ音がする」「水がなかなか流れない」といった異変に気付くことがあります。
こうした症状が自分の住戸だけで発生しているのであれば、住戸内の排水口や排水管の詰まりが原因かもしれません。
しかし、マンションの縦管が詰まっている場合は注意が必要です。
縦管とは、マンションの各住戸から流れてきた排水を上下方向へ流す立て管のことです。縦管の詰まりは、一つの住戸だけではなく、上階・下階など複数の住戸に影響する可能性があります。
実際、私のマンションでも、大規模修繕工事中に「縦管が詰まって困っているので対応してほしい」という投書がありました。
大規模修繕工事の対象外だったため、理事会へ報告して対応を検討することになりました。その後、大規模修繕工事の業者のご厚意で高圧洗浄を行ってもらいましたが、残念ながら詰まりの解消には至りませんでした。
「マンションの縦管が詰まると、どのようなことが起こる?」
「縦管の詰まりは専有部分?それとも共用部分?」
「高圧洗浄をすれば詰まりは直る?」
「管理組合と住民のどちらが対応する?」
このような疑問を持っている方に向けて、マンション管理の現場で実際に経験した事例をもとに、縦管の詰まりの原因・上階や下階への影響・対処法・高圧洗浄の効果について解説します。
~ この記事で分かること ~
- 縦管詰まりの影響
- 詰まりの原因
- 共用部・専有部
- 高圧洗浄の効果
- 管理組合の対応
■ 目次 ■
マンションの縦管詰まりを実際に経験した話
私がマンション管理に関わっていた際、大規模修繕工事を行っている時期に、工事会社に対して「縦管が詰まって困っているので対応してほしい」という投書がありました。
大規模修繕工事では、外壁、防水、屋上、鉄部など、あらかじめ工事範囲が決められています。
そのため、今回の縦管の詰まりについては、大規模修繕工事の対象外でした。
そこで、投書の内容を理事会へ報告し、対応を検討することになりました。
この報告があったことは、非常に重要だったと思います。
縦管は複数の住戸につながっているため、詰まりをそのまま放置すると、上階・下階など、ほかの住戸へ排水不良や逆流などの影響が広がる可能性があります。
その後、大規模修繕工事の業者のご厚意で、縦管の高圧洗浄を行ってもらいました。
しかし、残念ながら高圧洗浄だけでは問題を解決できませんでした。
この経験からも、マンションの縦管詰まりは、単純に「高圧洗浄をすれば直る」という問題ではないことが分かります。
マンションの縦管が詰まると上階・下階にどんな影響がある?

マンションの縦管は、複数の住戸から流れてくる排水を下方向へ流す重要な配管です。
そのため、縦管の詰まりが発生すると、詰まりの位置や程度によっては、一つの住戸だけではなく、上階や下階など複数の住戸に影響する可能性があります。
上階の住戸への影響
縦管の下流側で詰まりが発生している場合、上階から流した排水がスムーズに流れなくなることがあります。
例えば、次のような症状です。
- キッチンや浴室の排水が遅くなる
- 排水口からゴボゴボ音がする
- 排水口から悪臭がする
- 排水が逆流する
- 排水があふれる
特に詰まりが進行すると、排水が行き場を失い、住戸内へ逆流する可能性があります。
下階の住戸への影響
縦管の詰まりによって排水が正常に流れなくなると、下階の住戸にも影響する場合があります。
さらに、排水管の接続部などから漏水が発生すると、下階の天井や壁を汚損する可能性もあります。
そのため、縦管の詰まりは「詰まりが発生した住戸だけの問題」と考えないことが重要です。
縦管の詰まりは放置しても大丈夫?
結論として、縦管の詰まりを放置するのはおすすめできません。
初期段階では「少し排水が遅い」という程度でも、詰まりが悪化すると排水不良や逆流、漏水などにつながる可能性があります。
「排水の流れがおかしい」「ゴボゴボ音がする」といった異変があれば、早めに管理会社や管理組合へ報告しましょう。
マンションの縦管が詰まる原因は何?
マンションの縦管詰まりには、さまざまな原因が考えられます。
- 長年蓄積した油脂や汚れ
- 髪の毛や石けんカス
- 異物の流入
- 排水管内部の錆や劣化
- 配管の変形
- 配管の破損
- 排水管内部への汚れの蓄積
特に注意したいのが、長期間にわたって蓄積した汚れです。
排水管の内側に油脂や汚れなどが付着すると、排水が通るスペースが徐々に狭くなり、詰まりにつながることがあります。
また、配管自体の老朽化や破損などが原因の場合は、単純な清掃だけでは改善できないこともあります。
マンションの縦管は専有部分?それとも共用部分?
ここはマンション管理において非常に重要なポイントです。
国土交通省の令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)では、別表第2の共用部分の範囲に、雑排水管・汚水管について「配管継手及び立て管」を含めています。
したがって、標準管理規約では縦管(立て管)は共用部分として扱われます。
一方、各住戸から縦管へ接続する枝管などは、専有部分となる場合があります。
簡単に整理すると、次のようになります。
| 配管 | 標準管理規約での基本的な扱い |
|---|---|
| 縦管(立て管) | 共用部分 |
| 配管継手 | 共用部分 |
| 住戸内の枝管 | 専有部分となる場合がある |
| 住戸内設備 | 原則として専有部分 |
ただし、ここで注意したいのが、実際のマンションでは管理規約や配管の構造を確認する必要があるという点です。
標準管理規約は、各マンションが管理規約を作成・変更する際のひな型として示されているものです。
そのため、「縦管だから必ずすべてのマンションで同じ扱い」とは限りません。
また、令和7年改正の説明資料では、給排水管について、共用部分である立て管と専有部分である枝管が接続して一体として機能していることから、効率的な修繕のために一体的に修繕することについても示されています。
マンションの縦管詰まりは高圧洗浄で解消できる?
「縦管が詰まったら高圧洗浄をすれば直るのでは?」と思う方もいるでしょう。
結論として、高圧洗浄で詰まりが解消するケースはありますが、必ず直るわけではありません。
高圧洗浄は、配管内部に付着した汚れや堆積物などを水圧によって除去する方法です。
そのため、油脂や汚れなどが原因となっている詰まりであれば、改善する可能性があります。
一方、次のようなケースでは高圧洗浄だけでは解決できない可能性があります。
- 配管そのものが破損している
- 配管が変形している
- 大きな異物が詰まっている
- 詰まりの場所を特定できていない
- 配管の老朽化が進んでいる
- 排水管内部に固着した汚れがある
実際、私のマンションでも縦管について高圧洗浄を行いましたが、詰まりの解消には至りませんでした。
このような場合は、高圧洗浄を繰り返すのではなく、詰まりの場所や原因を調査することが重要です。
縦管が詰まったら管理組合はどう対応する?
縦管は標準管理規約では共用部分として扱われるため、住民から「縦管が詰まった」という報告があった場合は、管理会社や管理組合が状況を把握することが重要です。
まずは次のような点を確認します。
- どの住戸で症状が発生しているのか
- キッチン・浴室・洗面所など、どの排水設備で異常があるのか
- いつから症状が発生しているのか
- 上階・下階など複数の住戸で同じ症状が出ていないか
- 過去に排水管清掃を実施しているか
- 過去に同じ場所で詰まりが発生していないか
そのうえで、管理会社や排水管清掃業者などに調査を依頼し、詰まりの場所と原因を特定することが大切です。
原因が分からないまま、何度も高圧洗浄だけを繰り返すのは得策とはいえません。
大規模修繕工事中でも縦管詰まりは別問題になることがある
「大規模修繕工事をしているのだから、縦管の詰まりも直してもらえるだろう」と考えてしまうかもしれません。
しかし、大規模修繕工事には、契約時に定められた工事範囲があります。
外壁、防水、鉄部などを対象とした工事であれば、排水管の詰まりは対象外となっていることがあります。
今回、私のマンションで実際に発生したケースでも、縦管の詰まりは大規模修繕工事の対象外でした。
そのため、工事中に縦管の異常が発見された場合でも、
- まず工事会社へ相談する
- 今回の工事対象に含まれるか確認する
- 対象外なら管理会社・理事会へ報告する
- 必要に応じて専門業者に調査を依頼する
という流れで対応することが重要です。
マンションの縦管詰まりは「早期発見」が重要
マンションの縦管詰まりは、最初から大量の水があふれるとは限りません。
「ゴボゴボ音がする」「排水が遅い」「排水口から悪臭がする」といった小さな異変が、詰まりの前兆である可能性もあります。
特にマンションでは、縦管が複数の住戸に関係しているため、異常を感じたら早めに管理会社や管理組合へ伝えることが大切です。
今回紹介した私のマンションでも、住民から投書があったことで、理事会が縦管の詰まりという問題を把握することができました。
結果的に高圧洗浄では解決しませんでしたが、「報告があったこと」そのものに大きな意味があったと感じています。
もし報告がなく、そのまま放置されていたら、さらに上階や下階の住戸へ影響が広がっていた可能性もあります。
マンションの縦管詰まりは、「自分の部屋だけの問題」と決めつけないことが重要です。
排水の流れが悪い、ゴボゴボ音がする、悪臭がするなどの異変があれば、早めに管理会社や管理組合へ相談しましょう。
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