マンションの階段室の寸法は?階段の幅・蹴上げ・踏面を分かりやすく解説

「マンションの階段室って、どのくらいの寸法が必要なの?」「階段の幅や蹴上げ、踏面には決まりがあるの?」「避難階段になると、普通の階段とは何が違うの?」
マンション管理士試験や管理業務主任者試験を勉強していると、建築基準法の「階段」は意外と細かく出題されます。
特に注意したいのが、階段そのものの寸法だけを覚えて終わりにしないことです。
階段の幅や蹴上げ・踏面だけでなく、直通階段、避難階段、特別避難階段、階段室の内装、廊下の幅などが組み合わされて出題されることがあります。
さらに、マンション管理士試験では、階段そのものだけでなく、マンションの住棟型式について問われることもあります。
(階段の寸法を覚えたぞ!と思ったら、今度は「階段室型」「メゾネット型」「コア型」……。これが資格試験のイヤなところです。)
そこで今回は、マンション管理士試験・管理業務主任者試験の受験生向けに、マンションの階段室と寸法について、過去問を交えながら整理していきます。
~ この記事で分かること ~
- マンションの階段室で確認したい寸法
- 階段の幅・蹴上げ・踏面の考え方
- 直通階段と避難階段の違い
- 階段室だけでなく住棟型式も問われること
- マンション管理士試験の出題ポイント
■ 目次 ■
マンションの階段室の寸法は試験で狙われる
マンションの階段は、普段生活していると「上り下りできればいい」と思ってしまいます。
しかし、建築基準法では、階段や踊場について一定の寸法が定められています。
受験生としては、単純に「階段=幅」と覚えるのではなく、幅・蹴上げ・踏面という3つの言葉をセットで理解しておきたいところです。
幅は、階段を横方向から見たときの通行に必要な寸法です。蹴上げは1段の高さ、踏面は足を置く水平部分の奥行きを指します。
実際にマンションの階段を歩いてみると、蹴上げが高ければ「よいしょ」と足を大きく上げる感じになりますし、踏面が狭ければ足の裏を十分に乗せにくくなります。
つまり、階段の寸法は単なる数字ではなく、避難時の安全性にも関係する重要なポイントなのです。
階段の「幅・蹴上げ・踏面」を整理しよう
マンション管理士試験では、階段について「幅」だけではなく、蹴上げや踏面などの寸法が問われることがあります。
ここで、それぞれの意味を混同しないようにしておきましょう。
| 用語 | 意味 | 試験での注意点 |
|---|---|---|
| 階段の幅 | 階段を横方向から見た通行部分の幅 | 用途や階段の種類によって確認する |
| 蹴上げ | 1段あたりの高さ | 高すぎる階段になっていないかがポイント |
| 踏面 | 足を置く水平部分の奥行き | 狭すぎると歩行・避難に影響する |
| 踊場 | 階段途中などに設けられる平らな部分 | 幅や位置などが問題になることがある |
ここで大切なのは、「蹴上げ=横」「踏面=高さ」と逆に覚えないことです。
蹴上げは「上に何cm上がるのか」、踏面は「足を置くところがどのくらいあるのか」と考えるとイメージしやすくなります。
(私はこういう言葉を最初に見たとき、漢字だけでは何のことか分かりませんでした。実際の階段を思い浮かべると、かなり覚えやすくなります。)
管理業務主任者試験の令和元年度では、共用階段の数値が問われました。
〔問17〕直上階の居室の床面積の合計が200㎡を超える地上階における共同住宅の共用階段に関する次の記述のうち、(a)~(d)に入る数値の組み合わせとして、建築基準法によれば、正しいものはどれか。ただし、この階段は、屋外階段ではないものとする。
階段の踊場は、高さ(a)m以内ごとに設けなければならない。その踊場と階段の幅は(b)㎝以上、蹴上げの寸法は(c)㎝以下、踏面の寸法は(d)㎝以上でなければならない。
選択肢 (a) (b) (c) (d) 1 4 120 20 24 2 3 120 24 20 3 4 100 20 24 4 3 100 24 20
マンションの階段室で重要な「避難」の考え方
マンションの階段を勉強するときは、単純な階段の寸法だけではなく「避難」という視点を持つことが重要です。
建築基準法では、建築物の用途や規模などに応じて、避難施設について一定の基準が設けられています。
特にマンション管理士試験では、直通階段・避難階段・特別避難階段という言葉が登場します。
似たような言葉なので混乱しやすいのですが、試験では「どの階段なのか」「どのような構造が必要なのか」を問題文から読み取る必要があります。
さらに、階段だけを見ていると危険です。
廊下の幅、階段室の構造、開口部、排煙設備、内装制限などと組み合わせて問われることがあるからです。
そのため、「階段の寸法を覚えたから建築基準法の階段対策は終了」と考えないようにしましょう。
階段だけではない!「住棟型式」も問われている
マンション管理士試験では、階段や避難に関する規定だけでなく、マンションの住棟型式についても出題されています。
〔問42〕マンションの住棟型式に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 階段室型は、階段室から直接各住戸に入る型式で、廊下型に比べ各住戸の独立性は高い。
2 タウンハウス型は、各住戸に専用庭を持ち、ほかにコモンスペース(共用の広場、庭、駐車場など)を持つ低層の集合住宅である。
3 メゾネット型は、2階おき程度にエレベーターの停止階及び共用廊下を設け、エレベーターの停止階以外の階には階段によって各住戸へ達する型式である。
4 コア型は、20階以上の超高層住宅で多く用いられ、エレベーター・階段室などを中央に置き、その周辺に多くの住戸を配置する型式で、方位によって居住性(採光・通風)に不利な住戸ができる。
住棟型式とは、マンションなどの集合住宅を、住戸へのアクセス方法や共用部分の配置などから分類したものです。
階段室型、タウンハウス型、メゾネット型、コア型など、それぞれの特徴を整理しておく必要があります。
例えば、平成27年度マンション管理士試験・問42では、マンションの住棟型式について、次の記述のうち「適切でないもの」が問われました。
平成27年度マンション管理士試験・問42
肢1…○ 適切
階段室型は、階段室から直接各住戸に入る型式で、廊下型に比べ各住戸の独立性は高い。階段室型は、階段室から直接各住戸へ入る形式です。廊下型のように共用廊下に面して各住戸へ出入りする形式と比べ、各住戸の独立性が高いという特徴があります。
肢2…○ 適切
タウンハウス型は、各住戸に専用庭を持ち、ほかにコモンスペース(共用の広場、庭、駐車場など)を持つ低層の集合住宅である。タウンハウス型は、低層の集合住宅で、各住戸に専用庭などを設けるとともに、住民が共同で利用するコモンスペースを設ける形式です。
肢3…× 不適切
メゾネット型は、2階おき程度にエレベーターの停止階及び共用廊下を設け、エレベーターの停止階以外の階には階段によって各住戸へ達する型式である。この記述は、メゾネット型ではなく、スキップフロア型の特徴を説明したものです。
メゾネット型は、1住戸が2層以上にまたがっている形式です。一方、2階おき程度にエレベーターの停止階や共用廊下を設け、そこから階段で各住戸へアクセスする形式は、スキップフロア型として整理します。
つまり、この問題では「メゾネット」と「スキップフロア」を入れ替えていることがポイントです。
肢4…○ 適切
コア型は、20階以上の超高層住宅で多く用いられ、エレベーター・階段室などを中央に置き、その周辺に多くの住戸を配置する型式で、方位によって居住性(採光・通風)に不利な住戸ができる。
コア型は、エレベーターや階段室などの共用部分を建物の中央部に配置し、その周囲に住戸を配置する形式です。超高層住宅などで見られる形式で、住戸の配置によっては方位による採光や通風などの条件に違いが生じます。
このように、マンション管理士試験では、階段の寸法だけではなく、階段室を含めた「住棟型式」も問われています。
(階段の幅や蹴上げだけを勉強していたら、今度は「その階段室がどんなマンションの型式なのか?」と聞かれる……。建築分野は覚えることが本当に多いですね。)
高さ31mを超える場合は要注意
マンションの階段に関する問題では、建築物の高さにも注意が必要です。
建築基準法では、建築物の用途や規模などに応じて、避難施設について一定の基準が設けられています。
特に、建築物の高さ31mを超える階に通ずる直通階段については、避難階段・特別避難階段との関係を確認しておきたいところです。
マンションの階数だけを見て「15階だから」「20階だから」と判断するのではなく、問題文に書かれている建築物の高さに注目することが大切です。
階数と高さは同じではありません。ここも試験では注意したいポイントです。
マンション階段室の寸法を覚えるときの注意点
階段の寸法を勉強するとき、数字だけを丸暗記する方法には限界があります。
例えば、「蹴上げ」「踏面」「幅」という用語を見たときに、どの部分を指しているのか分からなければ、数字を覚えていても問題文で混乱してしまいます。
まず実際のマンションの階段をイメージしてください。
階段を横から見たとき、1段上がる高さが蹴上げ。そして足を置く水平部分が踏面。階段を横に何人通れるかという方向が幅です。
このように身体感覚と結び付けると、単なる数字の暗記よりも記憶に残りやすくなります。
さらに、階段室については「誰が使うのか」だけでなく、「避難経路として安全に使えるか」という視点も持っておきましょう。
普段はエレベーターを使っている人でも、火災や停電などが発生すれば階段を使う場面があります。
(普段は階段を使わないのに、試験では階段について細かく聞かれる。これもマンション管理士試験らしいところですね。)
試験対策では「階段+避難+住棟型式」をセットで覚える
マンション管理士試験の建築分野対策としておすすめしたいのは、「階段の寸法」と「避難関係の規定」を別々に覚えないことです。
さらに、マンションの住棟型式についても、階段室型、タウンハウス型、メゾネット型、コア型などの特徴を整理しておきましょう。
| 覚えるポイント | 確認する内容 |
|---|---|
| 階段 | 幅・蹴上げ・踏面 |
| 踊場 | 幅などの寸法 |
| 直通階段 | 避難経路としての設置 |
| 避難階段 | 構造上の基準 |
| 特別避難階段 | より厳しい構造上の基準 |
| 高さ31m | 直通階段との関係 |
| 階段室 | 内装・開口部・排煙など |
| 住棟型式 | 階段室型・タウンハウス型・メゾネット型・コア型など |
こうして整理すると、問題文を読んだときに「これは階段の幅の問題」「これは避難の問題」「これは階段室の問題」「これは住棟型式の問題」と判断しやすくなります。
特に過去問では、一つのテーマだけでなく、建築に関するさまざまな論点が出題されます。
過去問を解いた後は、正解肢だけでなく、「なぜ他の肢が正しいのか」まで確認することをおすすめします。
マンション管理士試験で覚えておきたいポイント
今回のテーマを試験対策としてまとめると、まず「階段の寸法」では幅・蹴上げ・踏面を区別することが基本です。
そして、階段だけでなく、踊場や階段に通ずる廊下の幅についても確認しておきましょう。
さらに、建築物の高さ31mを超える階に通ずる直通階段については、避難階段・特別避難階段との関係を押さえておく必要があります。
そして、過去問では、避難階段の問題だからといって寸法だけが問われるとは限りません。
階段室の壁や天井の仕上げ、下地に使われる材料など、内装制限について問われる場合もあります。
さらに、平成27年度第42問のように、マンションの住棟型式そのものが出題されることもあります。
したがって、試験前には次のポイントを一度整理しておくとよいでしょう。
- 階段の幅
- 蹴上げ
- 踏面
- 踊場
- 直通階段
- 避難階段
- 特別避難階段
- 高さ31m
- 階段室の内装
- 開口部・排煙設備
- 階段室型・タウンハウス型・メゾネット型・コア型などの住棟型式
まとめ|マンションの階段室寸法は数字だけで覚えない
マンションの階段室について勉強するときは、階段の幅や蹴上げ、踏面などの寸法を確認することが基本です。
しかし、マンション管理士試験では、それだけでは終わりません。
直通階段、避難階段、特別避難階段、廊下の幅、建築物の高さ31m、階段室の内装制限など、複数の規定が組み合わされて出題されることがあります。
さらに、平成27年度第42問のように、階段室型・メゾネット型・コア型などの「住棟型式」も問われています。
この問題からも分かるように、建築分野では「階段の寸法」だけを覚えていても十分ではありません。
階段の幅・蹴上げ・踏面という基本用語を押さえたうえで、避難階段や特別避難階段、階段室の構造や内装、さらに住棟型式まで関連付けて覚えておきましょう。
マンション管理士試験や管理業務主任者試験では、数字を一つ間違えるだけで失点につながります。
だからこそ、過去問を使って「どの数字が狙われているのか」「どの言葉が入れ替えられているのか」を確認することが大切です。
(私自身、資格試験では「だいたい分かった」で進んでしまい、選択肢の細かい違いで悩むことがありました。こういうところは、やはり過去問で鍛えるしかありません。)
階段の寸法を単独で覚えるのではなく、「階段+避難+階段室+住棟型式」というグループとして整理しておくと、建築分野の問題を解くときにも思い出しやすくなるでしょう。
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