外階段の蹴上げ20cmは危険?建築基準法・踏面・段数を徹底解説

マンションに住んでいると、どうしても運動不足になりがちです。
私自身も、時間のあるときは、あえてエレベーターを使わず、運動のために階段を使って自分の部屋まで行くことがあります。
「今日はエレベーターを使わずに階段で上がろう」と思って歩いていると、何段も続く階段を見ながら、ふと「この階段の蹴上げって、いったい何cmくらいあるのだろう?」と思いました。
普段は何気なく上り下りしている外階段ですが、火災発生時などの非常時には、エレベーターではなく階段を利用することになります。
そう考えると、マンションの外階段の蹴上げや踏面がどのくらいの寸法なのかを知っておいて損はありません。
「蹴上げ20cmは危険なの?」「建築基準法では何cmまで?」「踏面は何cm必要?」「マンションの外階段は何段まで続けられる?」「上り下りしにくい階段には理由がある?」など、気になることもあるでしょう。
この記事では、マンションの外階段を実際に利用する人に向けて、蹴上げ20cmの安全性、建築基準法施行令による基準、踏面との関係、踊場や段数について詳しく解説します。
~ この記事で分かること ~
- 蹴上げ20cmは危険なのか
- 建築基準法施行令の階段寸法
- 外階段の踏面は何cm必要なのか
- 階段の段数と踊場のルール
- マンションの外階段を安全に使うポイント
■ 目次 ■
外階段の蹴上げ20cmは危険?
結論からいうと、蹴上げ20cmだから直ちに「危険な階段」とはいえません。
建築基準法施行令第23条では、階段の用途や種類によって、蹴上げや踏面の寸法が定められています。
例えば、同条第1項の表では、「(一)から(三)までに掲げる階段以外のもの」について、蹴上げ22cm以下、踏面21cm以上とされています。
そのため、マンションの共用階段などで蹴上げが20cmだったとしても、数字だけを見て「建築基準法違反」「危険」と判断することはできません。
ただし、20cmという数字は、実際に歩いてみると決して低い段差ではありません。
例えば、蹴上げ15cmの階段と20cmの階段を比較すると、1段ごとに5cmの違いがあります。10段上れば高さの差は50cmです。
「たった5cm」と思うかもしれませんが、階段ではこの差が足を持ち上げる感覚や太ももへの負担として現れます。
建築基準法では外階段の蹴上げは何cmまで?
マンションの外階段を考えるうえで重要なのが、建築基準法施行令第23条です。
この規定では、階段の種類によって「階段及びその踊場の幅」「蹴上げ」「踏面」の寸法が定められています。
| 階段の種類 | 蹴上げ | 踏面 |
|---|---|---|
| 小学校の児童用 | 16cm以下 | 26cm以上 |
| 中学校・高校・一定の大規模店舗・劇場等 | 18cm以下 | 26cm以上 |
| 一定規模の居室がある地上階等 | 20cm以下 | 24cm以上 |
| 上記以外の階段 | 22cm以下 | 21cm以上 |
この表を見ると、蹴上げ20cmという寸法は、階段の種類によっては上限に該当する一方、別の区分では上限22cmの範囲内になります。
ここが少しややこしいところです。
「建築基準法では蹴上げ20cmまで」と覚えてしまうと間違ってしまいます。(法律は一律の数字だけで決まっているわけではないんです。)
さらに注意したいのが、建築基準法施行令第23条には、「住宅の階段(共同住宅の共用の階段を除く。)」について、蹴上げ23cm以下、踏面15cm以上とすることができるというただし書きがあることです。
つまり、マンションの専有部分にある住宅内の階段と、マンションの共用廊下などから利用する共用階段では、同じ「住宅の階段」と考えてはいけません。
マンションの共用外階段は蹴上げ20cmでも大丈夫?
マンションの外階段で特に注意したいのが、「専有部分の階段」と「共用部分の階段」の違いです。
一般的な分譲マンションの外階段は、住民が避難や移動のために利用する共用部分に該当するケースが多く、専有部分の住宅内階段とは扱いが異なります。
そのため、「住宅なら蹴上げ23cmまで大丈夫」という規定を、そのままマンションの共用外階段に当てはめることはできません。
例えば、蹴上げ20cm、踏面21cmの外階段があったとします。
この数字だけなら、一般的な階段の区分における蹴上げ22cm以下、踏面21cm以上という基準に収まっています。
しかし、実際の安全性は寸法だけで決まるものではありません。
- 階段の幅
- 踏面の奥行き
- 手すりの有無
- 踊場の位置
- 階段の勾配
- 段鼻の形状
- 滑りにくい仕上げ
- 照明の明るさ
- 雨水がたまらない構造
なども関係します。
特に屋外階段は雨で濡れることがあります。晴れた日に歩いて「問題ない」と感じても、雨の日には靴底が滑りやすくなり、同じ20cmの階段でも危険性が変わります。
蹴上げ20cmは実際に上るとどのくらいきつい?
蹴上げ20cmと聞いても、数字だけではイメージしにくいかもしれません。
そこで、普段使っている階段を思い浮かべてみてください。
一般的な室内階段などで蹴上げが17~18cm程度なら、足をそれほど高く上げなくても自然に上ることができます。
ところが、20cmになると、1段ごとに足を少し高く持ち上げる必要があります。
特に10段、15段、20段と連続して上ると、太ももの前側に負担を感じやすくなります。
私自身、運動不足解消のためにエレベーターを使わず階段を上ることがありますが、最初の数段では「これくらいなら余裕」と思っていても、階数が増えると呼吸が少しずつ速くなってきます。
(運動不足を解消するために階段を使っているのだから、きつくなるのは当然なのですが……。)
つまり、蹴上げ20cmは「危険な高さ」というより、連続して上る場合に身体への負担を感じやすい寸法と考えたほうが分かりやすいでしょう。
外階段は蹴上げだけでなく踏面も重要
階段を見るとき、どうしても「1段の高さ」である蹴上げばかり気になります。
しかし、階段の歩きやすさを考えるなら、蹴上げと踏面をセットで確認することが重要です。
踏面とは、足を乗せる水平部分の奥行きのことです。
| 項目 | 意味 | 身体への影響 |
|---|---|---|
| 蹴上げ | 1段の高さ | 高いほど足を持ち上げる負担が増える |
| 踏面 | 足を乗せる奥行き | 狭いほど足を置きにくい |
| 階段幅 | 横方向の広さ | すれ違いや避難時の安全性に関係する |
例えば、蹴上げ20cmでも踏面が24cm程度ある階段と、踏面21cm程度しかない階段では、足を置いたときの感覚が違います。
特に下り階段では、踏面が狭いと足の裏を十分に乗せにくくなります。
「階段を上るときは平気なのに、下りるときに怖い」と感じる場合は、蹴上げだけでなく踏面や段鼻の状態も確認してみるとよいでしょう。
蹴上げ20cm・踏面21cmの階段は急に感じる?
蹴上げ20cm、踏面21cmという階段を数字だけで見ると、建築基準法施行令の一般的な階段の基準に近い寸法です。
しかし、人間の身体は法律の数字だけで歩くわけではありません。
蹴上げが高く、踏面が狭くなるほど、階段は急に感じやすくなります。
例えば、同じ高さを上る場合でも、蹴上げ18cmで踏面24cmの階段と、蹴上げ20cmで踏面21cmの階段では、足の運び方が変わります。
前者は「少しゆったり上れる」と感じる一方、後者は「一段一段が高い」と感じる可能性があります。
ただし、階段の勾配を単純に蹴上げ÷踏面だけで判断することにも注意が必要です。階段の構造や測定方法、段鼻の形状などによって、実際の歩行感覚は変わります。
「蹴上げ20cmだから危険」と単純化するのではなく、蹴上げ・踏面・階段幅・手すりなどをまとめて確認することが大切です。
マンションの外階段は何段まで続けられる?
「蹴上げ20cmなら、何段くらい連続して上っていいの?」という疑問もあるでしょう。
建築基準法施行令第24条では、一定の階段について踊場を設ける必要があります。
同条では、施行令第23条第1項の表(一)または(二)に該当する階段で高さが3mを超えるものについては高さ3m以内ごとに、それ以外の階段で高さが4mを超えるものについては高さ4m以内ごとに踊場を設けることとされています。
例えば、蹴上げ20cmの階段で高さ4mになるとすると、単純計算では20段です。
つまり、「20cm×20段=400cm」というイメージになります。
ただし、これは単純な計算例です。実際の階段では、建物の用途、階段の種類、踊場、階段全体の構造などを含めて判断する必要があります。
そのため、「20cmなら必ず20段まで」と覚えるのではなく、法令上の区分と実際の階段の構造を確認することが重要です。
外階段には手すりの設置も必要?
階段の安全性を考えるなら、蹴上げと踏面だけを見て終わりにしてはいけません。
建築基準法施行令第25条では、階段には手すりを設けなければならないとされています。
マンションの外階段を利用するとき、手すりがあるだけで身体の安定感は大きく変わります。
特に雨の日や、荷物を持っているとき、階段を下りるときには、手すりがあることで身体を支えやすくなります。
また、高齢になってからも同じマンションに住み続けることを考えるなら、現在は問題なく上り下りできる階段でも、将来的には負担になる可能性があります。
「今は30代だから大丈夫」「健康だから問題ない」と考えがちですが、マンションは20年、30年と住み続けることもあります。
現在の身体能力だけでなく、10年後、20年後にも利用できる階段なのかという視点も持っておきたいところです。
非常階段として使う外階段だからこそ確認したいこと
マンションの外階段は、単なる運動用の階段ではありません。
火災などの非常時には、避難経路として利用することがあります。
普段ならエレベーターで数十秒で移動できるところを、非常時には多くの人が階段を利用する可能性があります。
そのとき、階段に人が集中すれば、普段よりも歩きにくくなることが考えられます。
- 階段幅が十分か
- 手すりが設置されているか
- 避難経路に物が置かれていないか
- 照明が確保されているか
- 扉が適切に開閉できるか
- 階段が濡れて滑りやすくなっていないか
なども確認しておきたいポイントです。
特に普段ほとんど外階段を使わない人は、一度実際に歩いてみるとよいでしょう。
「この階段は何段あるのか」「途中に踊場はあるのか」「自分の住戸から避難階までどのくらい歩くのか」を知っておくだけでも、非常時の安心感が違います。
外階段の蹴上げを実際に測る方法
自分の住んでいるマンションの外階段が「蹴上げ20cmなのか」を知りたい場合、実際に測ってみる方法があります。
最も分かりやすいのは、メジャーなどを使って1段の高さを測る方法です。
ただし、共用部分であるため、測定するときは他の住民の通行を邪魔しないように注意しましょう。
例えば、階段を10段上った高さをまとめて測り、その数値を10で割る方法なら、1段あたりの高さを確認しやすくなります。
仮に10段で200cmなら、単純計算で蹴上げは20cmです。
同様に、踏面についても1段あたりの水平距離を確認できます。
ただし、実測値だけを見て「建築基準法違反だ」と判断するのは避けましょう。
建築基準法の適用は、建物の用途、階段の種類、設置場所、構造などを含めて判断する必要があります。
外階段の蹴上げが高く感じるときはどうする?
「うちのマンションの階段、なんだか上りにくい」と感じることがあるかもしれません。
その場合、まずは蹴上げの高さだけでなく、踏面、段鼻、滑り止め、手すり、照明などを確認しましょう。
特に外階段では、階段のゴム製ノンスリップや滑り止め部分が劣化していないかも重要です。
段の角が欠けていたり、滑り止めが外れていたり、雨水がたまりやすくなっていたりする場合は、蹴上げ20cmという数字以上に転倒リスクが高くなる可能性があります。
もし共用階段に明らかな不具合があるなら、管理会社や管理組合に相談してみましょう。
「階段が急で怖い」という感覚的な話でも、どの場所で、どのような危険を感じるのかを具体的に伝えることが大切です。
マンションの外階段は蹴上げ20cmだけで危険とはいえない
マンションの外階段について、「蹴上げ20cmは危険なの?」という疑問に対しては、20cmという数字だけで危険かどうかを判断することはできません。
建築基準法施行令第23条では、階段の種類に応じて蹴上げと踏面の基準が定められています。
一般的な階段の区分では蹴上げ22cm以下、踏面21cm以上とされており、蹴上げ20cmはこの範囲に入ります。
一方で、一定規模の居室がある地上階などでは蹴上げ20cm以下、踏面24cm以上という、より厳しい基準が適用される区分もあります。
さらに、外階段の幅、踊場、手すりなどについても法令上のルールがあります。
つまり、「蹴上げ20cmだから安全」「蹴上げ20cmだから危険」という二択では考えられないということです。
実際に階段を利用する人にとっては、法律上の基準を満たしているかどうかだけでなく、上り下りしたときにどう感じるかも重要です。
特に低階層に住んでいる人なら、エレベーターを待つより階段を使ったほうが早いこともあります。
私自身も運動不足解消のため、時間があるときはエレベーターではなく階段を使います。
そのときに「この階段は何cmなのだろう?」と疑問に思ったことが、今回調べるきっかけになりました。
普段は何気なく利用している階段ですが、火災などの非常時には重要な避難経路になります。
だからこそ、一度、自分のマンションの外階段を実際に歩いて、蹴上げ・踏面・階段幅・手すり・踊場などを確認してみるのもよいでしょう。
階段は、単に「上に行くための設備」ではありません。
毎日の運動にも使えますし、いざというときには命を守る避難経路にもなります。
「そういえば、うちのマンションの外階段って何cmなんだろう?」と思ったら、次に階段を利用するときに、ぜひ一度じっくり見てみてください。
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