勤続20年以上退職金の相場から住宅ローン一括返済は厳しい
マンションを購入する際には、金融機関から住宅ローンのお世話になります。毎月コツコツと返済していると思いますが、退職金で一括返済を計画している方もおられます。勤続20年以上の退職金の相場を鑑みると、退職金による住宅ローン一括返済は厳しいのではないでしょうか。住宅ローンを組む場合の参考にしてください。
■ 目次 ■
勤続20年以上退職金の相場は
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」によると、勤続20年以上の定年時の退職金相場は、大卒:1983万円、高卒(管理/事務/技術職):1618万円、高卒(現業職):1159万円であることが分かります。
退職事由 | 大学・大学院卒 | 高卒(管理/事務/技術) | 高卒(現業職) |
定年 | 1,983万円 | 1,618万円 | 1,159万円 |
会社都合 | 2,156万円 | 1,969万円 | 1,118万円 |
自己都合 | 1,519万円 | 1,079万円 | 686万円 |
早期優遇 | 2,326万円 | 2,094万円 | 1,459万円 |
定年まで勤め上げた方に、退職金が支給されるのは当然ですが、例え自己都合であっても、退職金の支給が行われていることが分かります。
上記の退職金は、常用労働者30人以上を雇用する民営企業(医療法人、社会福祉法人、各種協同組合等の会社組織以外の法人を含む)のうちから、産業・企業規模別に層化して無作為に抽出した約6400社から得た数字となっています。
常用労働者30人未満の民営会社は統計から外されていることやお勤めの会社によっては、退職金相場が統計と異なっている可能性があります。
勤続20年以上の定年時の退職金相場の金額を見て、これだけ退職金を貰えれば「御の字だ」という方もおられるかもしれません。しかし、安心したというよりは心配になった方が多いのではないでしょうか。
平成30年の調査結果ですから、今後は、退職金の相場が上がるのか下がるのか保障はありません。
金融庁が、昨年2019年6月3日に公表した金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」で、「老後資金2000万円不足」という言葉に記憶があるからです。
退職金で、2000万円以上が支給されるケースもありますが、2000万円に満たないケースが多いからです。
「老後資金2000万円不足」という言葉が一人歩きしている気がします。本当に老後に2000万円不足するのかは、生活スタイルによって、各々異なりますけどね。
「早期優遇」の場合は、気持ち増額が行われていますが、あまり期待できるほどの増額ではありません。増額がないよりはマシですけどね。
退職金で一括返済は厳しい
「住宅ローンは、退職金で一括返済すればよい。」と考えて住宅ローン返済を最小限に留めている方または住宅ローンを組む時に退職金一括返済を充てにしている人がいます。
しかし、退職金で住宅ローンの一括返済は厳しいと思った方が現実的です。
むしろ、退職金を貰うまでに住宅ローンを返済するまたは、退職金で一部繰上返済を行うと考えた方がよいです。
一度に大きなお金が入ると散財しやすくなるのは事実です。ただ、退職金を支給された後の生活を考えると簡単に使ってしまってよいものかと考えてしまいます。
住宅ローンは退職時まで
金融機関からの住宅ローンを組む場合は、退職までに全額返済できていることが理想です。退職時までに全額返済できていなくても、ある程度の返済目途があるとよいですね。
退職の年齢から逆残して、何年住宅ローンを組むことができるのかを考えましょう。返済できる年齢と毎月の返済金額を決定しましょう。
おわりに
住宅ローンの返済は、退職金で行おうと計画をされている方が、結構多いように思います。
毎月の返済が不足しているか住宅ローンそのものの金額が多すぎるのが原因です。住宅ローンと言えども、いわゆる「借金」です。
金利が低いとは言え、借りたお金は、必ず返さなければなりません。ネットには、親の借りた住宅ローンが返済できずに、定年後は同居する子どもに返済を頼らざるを得なくなったという悲惨な事例がありました。
本来なら、住宅ローンを借りた方が責任を持って返済すべきなのですが。こういうことのならないように退職金で帳尻を合わせることのないようにしましょう。
勤続20年以上退職金の相場から住宅ローン一括返済は厳しい
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