機械式駐車場の空き対策は?ガラガラで住民苦悩の管理組合も多い

「機械式駐車場の空き問題」、最近良く耳にします。機械式駐車場がガラガラで住民苦悩の管理組合も多いと聞きます。
高齢になって、自動車と免許を手放したことや免許を持たない若者が増えたこと・現在主流のSUV車が入らないため外部の駐車場を利用していることが原因でガラガラになっているようです。
マンション管理組合では、どのように機械式駐車場の空き対策を行えば良いのでしょうか。
- 機械式駐車場の空き対策は?
■ 目次 ■
機械式駐車場の空き問題

マンション管理組合にとって、今や「機械式駐車場の空き問題」は、建物の老朽化と並ぶ最大級の懸念事項です。
かつては「自動車を所有するのが当たり前」の時代に設計されましたが、現在はライフスタイルの変化やSUV・大型車の普及により、負の遺産と化しているケースが少なくありません。
機械式駐車場の空き問題に直面する住民の苦悩と、今後取るべき有効な対策を考えてみましょう。一番悪いケースは、そのまま放置することです。
なぜ「ガラガラ」なのか? 深刻化するミスマッチの現状
機械式駐車場が埋まらない最大の理由は、「車両サイズの大型化」と「駐車装置の規格」の致命的なズレです。
1990年代から2000年代に建てられたマンションの多くは、当時の主流だったセダンを基準に設計されています。
そのため、全高が1,550mm以下に制限されているパレットが多く、現在主流のSUVやミニバン、ハイトワゴンが入らないのです。
住民が「車を買い替えたいが、駐車場に入らないから諦める」あるいは「外部の平置き駐車場を借りる」という本末転倒な事態が起きています。
さらに、若者の車離れや、都市部でのカーシェアリングの普及が追い打ちをかけます。
空き区画が増えると、本来そこから得られるはずだった「駐車場使用料(修繕積立金の原資)」が不足し、将来のメンテナンスや交換費用が住民の持ち出しになるという、負のスパイラルに陥っているのです。
短期的な改善策:運用ルールの見直しと外部貸し
抜本的な工事を行う前に、まずは運用の工夫で稼働率を上げる必要があります。
区画割りと料金体系の再設定
「ハイルーフ車対応区画」は常に満車で、「普通車区画」がガラガラという場合、料金に差をつけるのは当然ですが、あえて普通車区画の料金を大幅に下げることで、近隣の格安駐車場に対抗する戦略があります。
外部利用者への貸し出し(サブリース)
管理組合が直接外部へ貸し出すのは運営の負担が大きいため、駐車場運営会社に一括借り上げ(サブリース)してもらう手法が有効です。
防犯面や税務上の注意点(収益事業としての申告が必要)はありますが、即効性のある収益改善策となります。
「1戸1区画」制度の撤廃
古い規約で「1戸につき必ず1区画」と縛られている場合、2台目の利用を希望する住民に開放することで、車を持たない住民の負担を減らすための規約改正が急務です。
中長期的な設備対策:ハイルーフ化とEV対応
「入れたい車が入らない」という根本原因を解決するためのハードウェア的な対策です。
機械式駐車場の「ハイルーフ化」改修
パレットの間隔を調整し、中段を抜くなどの改修を行うことで、普通車専用だった区画をSUV対応に変更できます。
駐車可能台数は減りますが、ニーズに合わない空き区画を放置するより、確実に収益を生む区画へと再生させる方が長期的にはプラスです。
EV(電気自動車)充電設備の設置
今後、EVへのシフトが加速する中で、機械式駐車場に充電設備を備えることは大きな差別化になります。
「ここならEVが持てる」という動機付けにより、空き区画の解消と資産価値の維持を同時に狙えます。
究極の決断:機械式の撤去と「平置き化」
もし、機械自体の老朽化が進み、数千万円単位の交換費用が見込まれるのであれば、思い切って、「機械式駐車場の撤去(埋め戻し)」を検討すべきです。
平置き化のメリット
機械を撤去し、ピット(穴)を埋めてアスファルト舗装することで、平置き駐車場に変更します。
メンテナンス費用(電気代、点検代、部品交換代)がほぼゼロになり、SUVでも大型車でも制限なく駐車可能になります。
合意形成のポイント
駐車場の台数は確実に減るため、車を所有する全住民を収容できなくなるリスクがあります。
しかし、「将来の修繕積立金の値上げを回避できる」という経済的メリットを数字で提示することで、車を持たない住民も含めた全区分所有者の合意を取りやすくなります。
最近では、この「平置き化」を選択するマンションが急増しています。
結びに:放置が最大のリスク
機械式駐車場の空き問題は、単なる「駐車場の問題」ではなく、マンション全体の「財政問題」です。空き区画が1つあるごとに、年間数十万円の損失が出ているのと同じです。
住民の苦悩を解消するためには、理事会が現状の収支を可視化し、5年後、10年後のメンテナンスコストを予測した上で、早めに「持ち続けるか、変えるか、捨てるか」の議論を始めることが不可欠です。
時代に合わなくなった設備を、今のライフスタイルに合わせてアップデートすることこそが、快適な居住環境と資産価値を守る唯一の方法なのです。
※アフィリエイト広告を利用しています。

←ダウンロード可能なブログ記事です。自由に
