法定相続人は何親等まで?マンション管理士試験で問われる相続知識

「法定相続人って、何親等までなの?」「子どもがいない場合は、親や兄弟が相続するの?」「兄弟が先に亡くなっていたら、その子どもは相続人になるの?」
マンション管理士試験や管理業務主任者試験を勉強していると、民法の「相続」で、このような疑問が出てくることがあります。
特にマンション管理士試験では、管理費を滞納したまま区分所有者が死亡した場合、誰がその滞納管理費を承継するのかという形で、相続の知識が問われることがあります。
(相続の問題なのに、マンションの管理費が出てくるんですよね。マンション管理士試験らしいところです。)
そこで今回は、「法定相続人は何親等までなのか」を中心に、相続順位、配偶者・子・親・兄弟姉妹の関係、代襲相続、単純承認・相続放棄まで、マンション管理士試験の受験生向けに整理します。
~ この記事で分かること ~
- 法定相続人は何親等までなのか
- 法定相続人の相続順位
- 配偶者・子・親・兄弟姉妹の相続関係
- 兄弟姉妹が先に死亡した場合の代襲相続
- 単純承認・相続放棄と滞納管理費の関係
■ 目次 ■
法定相続人は何親等まで?

まず結論から整理しましょう。
法定相続人については、「何親等まで」と単純に数字だけで覚えると混乱します。
基本的には、配偶者は常に相続人となり、血族については、子、直系尊属、兄弟姉妹という順位で相続人になります。
| 順位 | 相続人 | ポイント |
|---|---|---|
| 常に | 配偶者 | 他の血族相続人と共同で相続する |
| 第1順位 | 子 | 子が先に死亡している場合は代襲相続に注意 |
| 第2順位 | 直系尊属 | 父母など。近い親等の者が相続人となる |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 兄弟姉妹が先に死亡している場合は代襲相続が問題になる |
つまり、試験対策としては、「配偶者+第1順位の子、第2順位の直系尊属、第3順位の兄弟姉妹」という順番をまず押さえましょう。
ここで注意したいのが「親等」です。
父母は1親等、兄弟姉妹は2親等です。一方、祖父母は2親等ですが、父母がいれば通常は父母が優先されます。
そのため、「法定相続人は2親等まで」と丸暗記するのは危険です。
(ここが受験生泣かせなんです。「2親等まで」と覚えたら終わり……ではありません。)
法定相続人の相続順位を覚えよう
相続の問題では、「誰が相続人になるのか」だけでなく、「どの順位で相続するのか」を理解することが重要です。
例えば、亡くなった人に子がいる場合、原則として子が第1順位の血族相続人になります。
子がいない場合には、第2順位の直系尊属が問題になります。さらに、子も直系尊属もいない場合には、第3順位の兄弟姉妹が相続人となります。
つまり、試験問題を読んだら、いきなり相続分を計算するのではなく、まず「子はいるのか」「親などの直系尊属はいるのか」「兄弟姉妹はいるのか」を確認します。
第1順位は子
第1順位は子です。
実子だけではなく、養子も相続人になります。
ここはマンション管理士試験でも重要です。実子と養子がともに相続人となる場合、養子だから相続人にならないということではありません。
例えば、マンションの区分所有者Aが死亡し、実子Bと養子Cがいる場合、ほかの事情がなければBとCが相続人となります。
そして、相続人が複数いる場合には、相続分を考える必要があります。
第2順位は直系尊属
子がいない場合に問題になるのが、第2順位の直系尊属です。
代表的なのは父母です。
父母がともに存命であれば、原則として父母が相続人となります。一方、父母の一方がすでに死亡していれば、存命している親が相続人となります。
さらに、父母がいない場合には、より上の世代である祖父母などの直系尊属が問題になることがあります。
したがって、「法定相続人は親まで」ではなく、「直系尊属の中で近い世代が優先される」と覚えておくと整理しやすいでしょう。
第3順位は兄弟姉妹
子も直系尊属もいない場合、第3順位として兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹は亡くなった人から見て2親等です。
ここで「法定相続人は2親等まで」と覚えたくなりますが、兄弟姉妹については、その先に代襲相続という重要な論点があります。
兄弟姉妹が被相続人より先に死亡していて、その兄弟姉妹に子がいる場合、その子が代襲相続人となることがあります。
つまり、甥や姪が相続人になるケースがあるわけです。
甥や姪が相続人になる?代襲相続に注意
例えば、Aに配偶者F、実子G・Hがいたとします。
ところが、Aが死亡するより前にGとHが死亡していたとします。
さらに、Gには子I、Hには子J・Kがいた場合、一定の要件のもとでI、J、Kが代襲相続することになります。
これはマンション管理士試験でも実際に問われた考え方です。
つまり、「本人の子が死亡しているから、その家系は相続できない」と考えてはいけません。
相続順位だけでなく、「相続開始時に本来の相続人が生きているのか」まで確認することが大切です。
特に兄弟姉妹については、代襲相続によって甥・姪が相続人になる場合があります。
(親族関係を図にしないと、頭の中がかなり混乱します。私はこういう問題は、家系図を書くようにしています。)
マンション管理士試験で実際に出題された相続問題
マンション管理士試験では、相続がマンションの管理費と組み合わされて出題されたことがあります。
平成26年度マンション管理士試験では、甲マンションの201号室を所有するAが、管理費60万円を滞納したまま、遺言をすることなく死亡したケースが出題されました。
(きちんと管理費を支払っていれば、マンション管理組合も問題なかったのにね。)
〔問16〕甲マンションの201号室を所有するAが、管理費60万円を滞納したまま遺言をすることなく平成25年12月1日に死亡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aの死亡より前に配偶者が死亡し、Aに実子B及び養子Cがある場合、B及びCがいずれも単純承認したときは、滞納管理費については、B及びCが各30万円を承継する。
2 Aの死亡より前に配偶者が死亡し、Aに実子D及び実子Eがある場合、Dが単純承認し、Eが相続放棄したときは、Dが滞納管理費60万円全額を承継する。
3 Aに配偶者F、実子G及び実子Hがあり、Aの死亡より前にG及びHが死亡し、Gに実子Iがあり、Hに実子J及び実子Kがある場合、F、I、J及びKがいずれも単純承認したときは、滞納管理費については、Fが30万円、I、J及びKが各10万円を承継する。
4 Aに配偶者、子がなく、Aの死亡より前に実父が死亡し、Aに実母L及び兄Mがある場合、Lが単純承認したときは、Lが滞納管理費60万円全額を承継する。
問題では、Aの配偶者や実子、養子、兄弟姉妹などの親族関係を設定し、誰が滞納管理費を承継するのかが問われています。
例えば、配偶者がすでに死亡しており、実子Bと養子Cがともに単純承認した場合、BとCがそれぞれ30万円を承継するという選択肢がありました。
一方、配偶者Fと、すでに死亡している子G・H、さらにGの子I、Hの子J・Kがいるケースでは、代襲相続を理解していなければ判断できません。
さらに、子も配偶者もいない場合に、父母や兄弟姉妹の誰が相続人になるのかも問われています。
このように、「法定相続人は誰か」という知識が、そのまま滞納管理費の承継問題につながるわけです。
【関連記事】滞納管理費の承継とは?相続人・買主への請求ルールをわかりやすく解説
マンション管理士試験の合格に備えて、準備を進めていることだと思います。最終的な確認は、やはり「模擬試験」で実力を確認することが大切だと思います。
苦手分野を克服するためにも、「模擬試験」を有効に活用したいものです。
【関連記事】模擬試験は受ける意味ない?受けないリスクと合格率が上がる活用法
単純承認と相続放棄もセットで覚える
相続の問題では、「誰が相続人か」だけでなく、相続を承認するのか、放棄するのかも重要です。
単純承認とは、相続人が被相続人の権利や義務を承継するものです。
マンション管理士試験では、滞納管理費のような債務が登場することがあります。
例えば、Aが60万円の管理費を滞納して死亡し、相続人が複数いるケースでは、相続人が単純承認した場合の承継関係を考える必要があります。
反対に、相続放棄をした相続人がいる場合には、その相続人を含めたまま単純に人数で割ればよいわけではありません。
そのため、問題文に「単純承認した」「相続放棄した」という言葉が出てきたら、絶対に読み飛ばさないでください。
(「単純承認なんて問題文の飾りでしょ」と思っていると、ここで間違えます。)
法定相続人は「何親等」だけで覚えない
ここまで見てきたように、法定相続人を「何親等まで」と数字だけで覚える方法には限界があります。
試験対策では、次の順番で考えると整理しやすくなります。
| 確認すること | 覚え方 |
|---|---|
| 配偶者 | 常に相続人となる |
| 子 | 第1順位 |
| 直系尊属 | 第2順位。近い世代が優先 |
| 兄弟姉妹 | 第3順位 |
| 代襲相続 | 本来の相続人が先に死亡している場合に注意 |
| 単純承認・相続放棄 | 承継するかどうかを確認 |
そして、「親等」は補助的に使います。
父母は1親等、兄弟姉妹は2親等、甥・姪は3親等です。しかし、甥・姪は自分自身の血族関係だけを見て当然に第3順位の相続人になるのではなく、兄弟姉妹の代襲相続という仕組みを理解する必要があります。
ここを区別できるようになると、相続問題がかなり読みやすくなります。
マンション管理士試験では家系図を書いてみよう
相続問題が苦手な人は、問題文を何度も読み返すより、簡単な家系図を書いてみるのがおすすめです。
例えば、Aを中央に書き、配偶者、子、父母、兄弟姉妹を周囲に書いていきます。
そして、すでに死亡している人には「×」を付けます。
そのうえで、「第1順位の子がいるのか」「子がいなければ第2順位の直系尊属がいるのか」「それもいなければ第3順位の兄弟姉妹か」と確認します。
兄弟姉妹や子が先に死亡している場合には、さらにその子どもまで線を伸ばします。
相続問題は、文章だけで考えず、家系図にすると一気に分かりやすくなることがあります。
マンション管理士試験では、相続分の数字まで問われる場合があるため、誰が相続人なのかを最初に確定することが重要です。
まとめ|法定相続人は「順位+代襲相続」で覚える
法定相続人は「何親等まで」と単純に覚えるより、相続順位で整理することが重要です。
まず配偶者は常に相続人となります。
血族については、第1順位が子、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹という順番で覚えましょう。
そして、子や兄弟姉妹が先に死亡している場合には、代襲相続が問題になります。
さらに、問題文に「単純承認」「相続放棄」と書かれていたら、その言葉も重要です。
マンション管理士試験では、相続そのものだけではなく、今回の平成26年度問題のように「滞納管理費の承継」と組み合わせて出題されることがあります。
そのため、「誰が相続人なのか」→「何順位なのか」→「代襲相続はあるのか」→「承認・放棄はどうなっているのか」という順番で問題文を読む癖をつけておくとよいでしょう。
相続は親族関係が複雑になるほど難しく感じますが、相続順位を一つずつ整理すれば、マンション管理士試験でも対応しやすくなります。
特に管理費滞納者が死亡したケースでは、誰に請求できるのかを考えるためにも、法定相続人の基本知識は欠かせません。
恥ずかしながら、マンション管理士試験に独学でチャレンジして撃沈した苦い経験を過去にしています。やはりプロから学ぶ意義は大きいと思います。
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