修繕積立金の用途とは?使い道や標準管理規約第28条の改正ポイントを解説

「修繕積立金は、大規模修繕工事にしか使えないの?」「マンションの建替えや取壊しに関する調査費用にも使えるの?」「令和7年改正のマンション標準管理規約第28条では、何が変わったの?」
マンション管理士試験や管理業務主任者試験を勉強していると、修繕積立金の使途について疑問に思うことがあります。
修繕積立金といえば、外壁塗装や屋上防水、給排水管の更新など、大規模修繕工事のために積み立てるお金というイメージがありますよね。
(私も、最初は工事費用に使うお金というイメージが強かったです。でも、試験ではそれだけでは不十分なんです。)
実は、令和7年(2025年)のマンション標準管理規約改正では、修繕積立金の使途に関する規定が拡充され、マンションの建替えや更新、敷地売却、取壊しなどのマンション再生等に向けた調査にも関係する内容が明確化されました。
そこで今回は、マンション管理士・管理業務主任者試験の受験生向けに、修繕積立金の用途と標準管理規約第28条の改正ポイントを分かりやすく解説します。
- 修繕積立金の基本的な用途
- 標準管理規約第28条の規定内容
- 令和7年改正で明確化されたマンション再生等の調査費用
- 修繕積立金を取り崩す際の注意点
- マンション管理士・管理業務主任者試験で覚えたいポイント
■ 目次 ■
修繕積立金の用途とは?基本を確認しよう

修繕積立金とは、マンションの将来的な修繕や特別な管理に備えて、区分所有者が管理組合に納入するお金を積み立てたものです。
マンションでは、建物の経年劣化に伴い、外壁や屋上、給排水設備などの修繕が必要になります。こうした工事には多額の費用がかかるため、毎月少しずつ積み立てておくことが重要です。
例えば、築12年から15年程度の時期に大規模修繕工事を実施するマンションもあります。ただし、実際の工事周期は建物の状態や長期修繕計画などによって異なります。
修繕積立金が十分に確保されていれば、必要な工事を計画的に進めやすくなります。一方、積立額が不足していると、一時金の徴収や積立金の値上げが必要になる場合もあります。
(工事が必要になってからお金を集めようとしても、簡単にはいきません。だからこそ、日頃からの積立てが大切なんですね。)
ただし、修繕積立金は、管理組合が自由に使えるお金ではありません。標準管理規約第28条に定められた特別の管理に要する経費に充当する場合に限り、取り崩すことができるという点を押さえておきましょう。
マンション標準管理規約第28条の修繕積立金とは
マンション管理士試験や管理業務主任者試験では、修繕積立金の使途について、標準管理規約の条文を理解しておくことが重要です。
マンション標準管理規約第28条では、管理組合が区分所有者から納入された修繕積立金を積み立て、定められた特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩せることを規定しています。
条文に挙げられている主な用途は、次のとおりです。
| 号 | 修繕積立金の用途 |
|---|---|
| 第1号 | 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕 |
| 第2号 | 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕 |
| 第3号 | 敷地及び共用部分等の改良又は変更 |
| 第4号 | マンション再生等の合意形成に必要となる事項の調査 |
| 第5号 | 修繕積立金の管理及び運用 |
| 第6号 | その他、敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理 |
この6つの用途を整理して覚えておくと、試験問題で問われたときに判断しやすくなります。
特に重要なのが、第4号のマンション再生等に関する調査です。令和7年改正によって、マンションの将来の再生を検討する際の調査費用についても、規定上の位置付けが明確化されました。
なお、上記は標準管理規約の規定です。実際のマンションでは、採用している管理規約の内容も確認する必要があります。
修繕積立金の使途に関する令和7年改正のポイント
令和7年(2025年)のマンション標準管理規約改正では、修繕積立金の使途に関する規定が拡充されました。
マンションは、築年数が経過するにつれて修繕の必要性が高まります。しかし、すべてのマンションが、従来と同じ方法で維持管理を続けられるとは限りません。
建物の老朽化や区分所有者の高齢化などが進むと、建替えや建物の更新、敷地売却、取壊しといった選択肢も検討する必要が出てきます。
その際、いきなり工事を始めるわけではありません。まずは専門家に相談し、建物の状態や再生手法の実現可能性、必要な費用などを調査することになります。
(建替えを検討するといっても、すぐに建替え工事が始まるわけではないんです。まずは、実現できるのかを調べる段階が必要になります。)
そこで押さえておきたいのが、マンション再生等の合意形成に必要となる事項の調査に、修繕積立金を充当できることが明確化されたという点です。
改正のポイントは、単に建物を修繕するための費用だけではなく、将来のマンション再生に向けた合意形成のための調査にも目を向けていることです。
マンション管理士試験では、改正後の条文の内容だけでなく、どのような目的で規定が設けられているのかも理解しておきましょう。
修繕積立金は建替え・売却・取壊しの調査にも使える
標準管理規約第28条第4号では、マンション再生等に係る合意形成に必要となる事項の調査が、修繕積立金の用途として規定されています。
ここでいうマンション再生等には、建物の建替えだけでなく、建物の更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、取壊しなどが含まれます。
つまり、将来のマンションのあり方を検討する際に、必要な調査を行うための費用についても、修繕積立金の使途として整理されているのです。
建替えに向けた調査
建物の老朽化が進んだ場合、建替えが選択肢になることがあります。
しかし、建替えを実現するには、建物の状態や事業の実現可能性、費用負担など、さまざまな事項を調査する必要があります。
こうした調査は、区分所有者が建替えについて話し合い、合意形成を進めるための基礎になります。
建物の更新に向けた調査
マンション再生等には、建物の更新も含まれます。
建物の将来について検討する際には、どのような方法が適切なのかを判断するため、専門的な調査や設計に関する検討が必要になる場合があります。
このような段階で必要となる費用についても、標準管理規約第28条の改正内容と関連付けて理解しておきましょう。
敷地売却や取壊しに向けた調査
マンションの将来について、敷地売却や取壊しを検討するケースも考えられます。
その場合も、区分所有者が判断するための情報を集め、合意形成を進めることが必要です。
大切なのは、修繕積立金の用途が、実際の工事費用だけに限定されるわけではないという点です。マンション再生等の合意形成に必要となる事項の調査も、条文上の用途として押さえておきましょう。
なお、個別の支出については、実際の管理規約や総会決議など、必要な手続きも確認する必要があります。
修繕積立金と管理費の違い
修繕積立金の用途を理解するうえで、管理費との違いも整理しておきましょう。
マンションでは、区分所有者が毎月、管理費と修繕積立金を支払うのが一般的です。どちらも管理組合に納入するお金ですが、目的が異なります。
| 項目 | 管理費 | 修繕積立金 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 日常的な管理や運営 | 計画的な修繕や特別な管理 |
| 主な用途の例 | 管理員業務、清掃、共用部分の光熱費など | 大規模修繕工事、共用部分等の改良・変更など |
| 支出の考え方 | 日常的に発生する管理費用 | 標準管理規約第28条に定める特別の管理に要する経費 |
例えば、マンションの共用廊下を日常的に清掃する費用と、外壁の大規模修繕工事にかかる費用では、性質が異なります。
前者は日常的な管理に関する費用であり、後者は計画的な修繕に関する費用です。
ただし、実際の支出の区分は、管理規約や費用の内容などによって確認する必要があります。
試験では、管理費と修繕積立金の用途を混同しないように注意しましょう。
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修繕積立金を取り崩すときの注意点
修繕積立金は、管理組合が積み立てているお金だからといって、理事長や理事会の判断だけで自由に使えるものではありません。
まず確認したいのは、支出の目的が標準管理規約第28条に定められた用途に該当するかどうかです。
例えば、建物の外壁修繕や屋上防水工事など、計画的に行う修繕であれば、第1号との関係を確認できます。一方、マンション再生等に向けた調査であれば、第4号との関係を確認することになります。
さらに、実際の管理組合では、管理規約や総会決議など、必要な手続きを確認することも大切です。
(用途に該当するからといって、何でも自由に支出できるわけではありません。お金を使う根拠と手続きの両方を確認する必要があります。)
マンション管理士試験では、条文上の用途と、実際に支出する際の手続きは分けて考えるようにしましょう。
【関連記事】設計費は修繕積立金で払える?令和7年標準管理規約改正で使途を明確化
マンション管理士試験で覚えたい修繕積立金のポイント
マンション管理士試験や管理業務主任者試験では、標準管理規約の条文について、用途や規定の内容を正確に理解しているかが問われることがあります。
修繕積立金については、次のポイントを整理しておきましょう。
| 覚えるポイント | 試験対策の要点 |
|---|---|
| 標準管理規約第28条 | 修繕積立金の積立てと取崩しの用途を規定 |
| 第1号 | 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕 |
| 第2号 | 不測の事故その他特別の事由による修繕 |
| 第3号 | 敷地及び共用部分等の改良又は変更 |
| 第4号 | マンション再生等の合意形成に必要となる事項の調査 |
| 第5号 | 修繕積立金の管理及び運用 |
| 第6号 | 区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理 |
特に注意したいのが、令和7年改正に関連する第4号です。
修繕積立金は、外壁塗装や屋上防水などの工事費用に使うだけではありません。マンションの建替え、更新、敷地売却、取壊しなどを検討するための調査も、条文上の用途に含まれています。
「修繕積立金=工事費用だけ」と覚えないことが、試験対策の重要なポイントです。
また、標準管理規約は改正されることがあります。試験対策では、古いテキストや過去問の解説だけで判断せず、最新の条文を確認することをおすすめします。
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よくある質問
修繕積立金は大規模修繕工事以外にも使えますか?
はい。標準管理規約第28条では、計画的な修繕だけでなく、不測の事故などによる修繕、敷地及び共用部分等の改良・変更、修繕積立金の管理・運用なども用途として定められています。
さらに、マンション再生等の合意形成に必要となる事項の調査も規定されています。ただし、どのような支出でも認められるわけではなく、条文上の用途や管理規約などを確認する必要があります。
令和7年改正で重要なのは何ですか?
重要なポイントの一つは、建替えや建物の更新、敷地売却、取壊しなどのマンション再生等に向けて、合意形成に必要となる事項の調査に修繕積立金を充当できることが明確化された点です。
実際の工事が始まる前の調査段階も重要であることを理解しておきましょう。
マンション再生等の調査費用なら、何でも修繕積立金から支出できますか?
一律に何でも支出できるわけではありません。標準管理規約第28条の用途に該当するかどうかを確認し、実際の管理規約や必要な決議などの手続きも確認する必要があります。
修繕積立金と管理費は同じ用途に使えますか?
管理費は日常的な管理や運営に関する費用、修繕積立金は計画的な修繕などの特別な管理に関する費用という違いがあります。支出の目的や管理規約などを確認し、適切に区分することが大切です。
まとめ|修繕積立金の用途は第28条を押さえよう
修繕積立金は、マンションの将来的な修繕や特別な管理に備えて積み立てるお金です。
マンション管理士試験や管理業務主任者試験では、標準管理規約第28条に定められた用途を整理して覚えておきましょう。
- 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
- 不測の事故その他特別の事由による修繕
- 敷地及び共用部分等の改良又は変更
- マンション再生等の合意形成に必要となる事項の調査
- 修繕積立金の管理及び運用
- 区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
特に、令和7年改正に関連して押さえておきたいのが、マンション再生等に向けた調査です。
建替えや建物の更新、敷地売却、取壊しなどを検討する際には、区分所有者の合意形成に向けた調査が必要になります。その調査に修繕積立金を充当できることが、標準管理規約上、明確化されています。
試験では、修繕積立金の用途は工事費用だけではないという点を忘れないようにしましょう。
条文の各号を丸暗記するだけでなく、どのような目的で修繕積立金を使うのかまで理解すると、選択肢の正誤を判断しやすくなります。
法改正の内容をしっかり押さえ、マンション管理士・管理業務主任者試験の得点力を高めていきましょう。
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