マンション標準管理規約コメントからヒントを得た経験
国土交通省(国交省)の「マンション標準管理規約コメント」をご覧になった方はおられますでしょうか。管理会社や専門家ではない限り、馴染みが薄く「知らない」方が多いのかもしれませんが、マンションの管理規約を作成する場合や規約を変更する場合のヒントを得ることができる有益なコメントなのです。実際に標準管理規約コメントから得られた情報が役立った例を綴ります。
■ 目次 ■
標準管理規約と管理規約
お住まいのマンション管理規約は、ある程度国土交通省の「マンション標準管理規約」を参考にしながら作成されています。もちろん、マンションによっては、独自の規約が存在しますが、共通的なルールは、「マンション標準管理規約」が使われています。
例えば、専有部分等の範囲だったり、管理組合の業務内容だったり、総会の開催だったり、どのマンションであっても、定めなければならないルールが記載されています。
お住まいのマンションの管理規約と「マンション標準管理規約」を見比べながら読まれるとよく分かると思いますが、マンション管理規約の構成まで似ているのではないでしょうか。教科書通りのマンション管理規約となっているのが普通です。
この「マンション標準管理規約」は、必要によって改正が行われます。最近の例ですと、第4章(用法)の第12条(専有部分の用途)が改正(平成29年8月)されて、「住宅宿泊事業」を可能とするのか禁止するのかによって、管理規約を選択するようになりました。
「民泊」という新しい制度に対して、マンションとしてどのように対応すべきかは、各々のマンションで定めて、マンション管理規約に反映してくださいという趣旨ですね。こういう改正の情報をいち早く管理会社側から提案があるのがよい管理会社だと思いますけどね。
お住まいの「マンションの管理規約を読んだことがない。」と言われる方もおられますが、マンション管理規約が、マンションのルールですから、組合員であるならばお読み頂いて把握されることをおすすめします。
【参考記事】
マンション標準管理規約コメントとは
国土交通省からは「マンション標準管理規約」のほかに、「マンション標準管理規約コメント」が出されています。「マンション標準管理規約コメント」には、マンション管理規約を策定する場合のアドバイス的な内容が記載されています。
先ほどの第12条(専有部分の用途)関係の民泊でも、コメントが記されています。
- いわゆる家主居住型の住宅宿泊事業のみ可能とする場合の例
- いわゆる家主同居型のみ可能とする場合の例
- 住宅宿泊事業の可否を使用細則に委任する場合
以上の3パターンに分けて、「民泊」をどのように考えるのかを示唆しています。契約書や申請書のひな型が示されていたり、「マンション標準管理規約」だけでは分かりにくい箇所の補足として参考できるのが「マンション標準管理規約コメント」です。
ヒントを得た標準管理規約コメント
ヒントを得た標準管理規約コメントは、第36条(役員の任期)です。マンション標準管理規約(単棟型)コメント第36条関係②には、
業務の継続性を重視すれば、役員は半数改選とするのもよい。この場合には、役員の任期は2年とする。
(マンション標準管理規約(単棟型)コメント第36条関係②)
と記載がありました。当マンションの管理組合の役員の任期は1年と管理規約で定められています。翌年も理事に立候補がなければ、輪番制で理事のメンバーは総入れ替えとなってしまいます。総会終了後の引継時に、業務内容の引継は行われますが、短時間の1回のみなので、業務の継続性には疑問がありました。
理事会の議事録は確かに記録し保管されていますが、実際の理事会に参加したことのない新しい理事メンバーによる理事会が機能するまでには、時間が掛かってしまうことになります。そういうことのないように、役員の任期を2年で半数改選の管理規約に変更しました。
おわりに
国土交通省の「マンション標準管理規約コメント」からも、マンションの管理規約に反映すべきことが書かれていることがあります。必ずしも「マンション標準管理規約コメント」通りの規約でなければならないことはありませんが、トラブルを避けるために定めておくとよいことが書かれています。
特に新しく定められた内容については、知っておく必要があります。各マンションで取捨選択してください。
マンション標準管理規約コメントからヒントを得よう。
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