議決権行使書と委任状の違いを理解して提出しましょう
マンションの通常総会や臨時総会には、「出席通知書」「委任状」「議決権行使書」のいずれかを期限までに提出することになっています。「出席通知書」は、総会に出席することですが、「委任状」と「議決権行使書」の違いを理解して提出しているでしょうか。どちらでもよいような気がしますが、「委任状」と「議決権行使書」の違いを綴ります。
■ 目次 ■
総会議案に対する意思表明方法
通常総会や臨時総会の開催案内の中に、「出席通知書」「委任状」「議決権行使書」のいずれかを提出することとなっています。総会議案に対する意思表明方法として3種類が用意されているのですが、住民の中には誤って3種類全てに、署名・捺印をして提出される場合もあると聞いています。はじめての方は分かりにくいですよね。
出席通知書の場合
マンションの通常総会又は臨時総会に出席して、議案の賛否を表明する方法です。通常総会や臨時総会の議案書を読んだけれども、よく分からない場合や理解できない場合は、安易に賛成とも反対とも決められないため、総会に出席して判断を行うことになります。
総会は、自分の意見を述べる貴重な公式な場であり、他の出席者の意見や様子を伺うことのできる場であるので、総会に出席することが望ましいのですが、残念ながら総会に出席するのは少数派となるのが現実です。総会出席者も、新役員と旧役員ばかりだったという笑えない総会だったりします。
委任状の場合
通常総会又は臨時総会に出席して議案の賛否を表明するのではなく、自分の代理人を定めて、その人に議決権を行使してもらうという方法です。
代理人はその組合員と同居する者、他の組合員若しくはその組合員と同居する者又はその組合員の住戸を借り受けた者でなければなりません。
代理人の名前が空白の場合は、理事長として扱うマンションと「委任状」として取り扱わないマンションもあるようです。
「委任状」と取り扱わない場合は、せっかく提出した「委任状」が無効となってしまうことにもなりかねません。「委任状」で議決権を行使する場合は、きちんと代理人の名前を書きましょう。
議決権行使書の場合
議決権行使書の場合は、各議案(大抵複数の議案が盛り込まれます。)に対して、賛否を表明するものです。総会を欠席しても、各々賛成・反対を表明することができます。
「委任状」は、全ての議案を委ねる形となりますが、「議決権行使書」の場合は、自分の意見を反映できるところがよいところなのではないでしょうか。
国土交通省の「マンション標準管理規約(単棟型)コメント」第46条コメント⑥では、
議決権行使書によって組合員本人が自ら賛否の意思表示をすることが望ましく、そのためには、総会の招集の通知において議案の内容があらかじめなるべく明確に示されることが重要であることに留意が必要である。
(第46条コメント⑥抜粋)
と記載されています。このことからも、自ら意見を表明できる「議決権行使書」の方が「委任状」よりもよいことが分かります。
おわりに
通常総会や臨時総会は、マンションにおける重要なイベントです。出席することが最も望ましいですが、出席が難しい場合は、「委任状」又は「議決権行使書」を提出して意思表明をするようにしましょう。通常総会や臨時総会を面倒だと思わないでください。マンションの進む行く方向を定める重要な総会なのですから。
総会の成立要件は、「議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。」とし、総会の普通決議は、「出席組合員の議決権の過半数で決する。」と定めています。「一人くらい提出しなくても影響ないや。」と思わずに必ず提出してください。
議決権行使書と委任状の違いを理解して提出しましょう。
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