マンションに保育園が併設の物件は買いなのか?
国土交通省と厚生労働省がやっきになっている「待機児童問題」を受けて、大規模マンションにも保育園を併設する動きが出てきています。「保育園落ちた日本死ね」で有名になった「待機児童問題」、マンションに保育園が併設されている物件は買いなのでしょうか。子育て世代の切り札として「保育園併設マンション」は、少子化問題を解消できるのだろうか。
■ 目次 ■
保育園併設マンション登場の理由
「保育園落ちた日本死ね」で、一時期有名となった「待機児童問題」。
認可保育園に希望しながらも、入園できない待機児童数を指す「待機児童問題」が、解決されたということは聞きません。
保育士の資格を持っているのに、保育士として働いていない方が多いのも問題の要因となっています。長時間労働・サービス残業・遅番早番など、勤務体制の変更といった対応を余儀なくされる状況が原因で、退職者が多いと聞きます。
退職者の穴を埋めるために、残った職員で対応するために、ますます長時間労働・サービス残業が続いていくという悪循環の職場が、保育施設の現状だそうです。
特に、「待機児童」は、都市部に集中しているということですので、都市部のマンションに保育園が併設されれば、少しは「待機児童問題」が解決されるのではと期待しています。
保育園併設マンションは買いなのか
結論から言うと、マンションに保育園が併設されている物件は買いではありません。その理由を、以下に綴ります。
マンションの住民優先ではない
マンション内に、保育園が併設されていると言っても、自治体の認定がされている場合と無認可保育施設があります。
マンション内に、保育園が併設されていれば、朝のお見送りや帰りのお迎えが楽になるので、魅力的な保育園併設マンション内ですが、実は、マンションの住民が優先に入れるわけでないのです。
自治体の認定がされている場合は、自治体の基準で、保育園の必要性が高い人、つまり点数が高い人から順に入所の権利があるのです。
ですから、必ずしも、マンション内の保育園に入れるという保証がないのです。
保育園がいつまであるか分からない
マンション内の保育園が併設されている無認可保育施設の場合、この先将来に渡って保証されるわけではありません。
マンション内の保育園の運営費は、マンションを販売するディベロッパーが負担していることが多いのですが、いつまでも負担を続けるほど甘くありません。
ディベロッパーの負担が終了した場合は、マンションの住民全員で、保育園の運営をしていくことになりますので、管理費が値上げされるか保育園の運営をやめることになります。
保育園を続けるか否かは、必要とする子供や保育士の人数が確保されなければ、続けられないことも考えられます。
中古として売る場合不利に
中古マンションを求める人の特徴は、安さがあります。新築マンションでは手が届かなかった方でも、中古マンションなら手が届くという場合があるからです。
もちろん、ロケーションや建築年、部屋の広さや状態も吟味するでしょうが、どんな共用施設があるのかもチェック対象となるでしょう。
駐輪場やゲストルーム、集会室はあっても、中古マンションの購入を考えている方も利用するので必要でしょうが、保育園は必要とする方はあまり多くないのです。
保育園を必要とする方にとっては、魅力的な保育園併設マンションでも、利用しない場合は、無用の長物になるでしょうね。
保育園という共有施設があるがために、管理費が高いのであれば、中古マンションの購入を敬遠してしまいます。
中古マンションとして売る場合には、圧倒的に不利になってしまいます。
マンション選択の幅が狭まる
保育園を必要とする時期は、一時的なのではないでしょうか。そのためだけに保育園が併設されているマンションに絞って、物件を検討するのは、あまりにも選択肢が限られてしまいます。
マンションの購入を考える場合の要素として、立地や日当たり・間取り・階数など人によって様々な条件で探します。
保育園が併設されているマンションは、物件数そのものが少ないため、マンションを選択する幅が狭まる結果となります。
保育園が併設されているマンションが、たまたま自分の諸条件で当てはまる場合はよいですが、そうでない場合は、後々売却しなければならないということにならないように気を付ける必要があります。
おわりに
マンションに保育園が併設されている物件は、確かに便利なのかもしれません。他のマンションと差別化を図るための共用施設であることは確かです。しかし、保育園を使う時期の年数は限られていることを考えると、保育園併設マンションの購入はおすすめできません。
マンションに保育園が併設されている物件は買いなのか?
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