傾斜地に建つマンションは購入を避けるべきなのか
傾斜地に建つマンションを見かけますが、購入は避けた方がよいのでしょうか。山沿いの観光地には、傾斜地を利用して景観よく建てられているホテルや別荘があります。一時的に過ごす傾斜地のホテルや別荘とは違って、定住するマンションでは、傾斜地を避けるべきなのでしょうか。
■ 目次 ■
傾斜地マンションとは
通常のマンションは、平地に建てられています。そのため1階から高層階まで同じ面積の四角い形状をしているのが普通です。タワーマンションを想像すればよくお分かり頂けるのではないでしょうか。
傾斜地マンションとは、土地が傾斜地となっている場所に建設されているマンションで、外観を見ると高い場所に建っているので景観がよさそうに見えます。
坂が多い地域に建てられることの多い傾斜地マンションは、傾斜地を有効に活用するために、マンションの形状が複雑で面白い特徴ある造りとなっています。
傾斜地の特性を活かして、地下にマンションのエントランスや駐車場などの共用部分を設けて、1階以上の部分を住居とするなど、ほかのマンションにはない独特の建築ができます。
地下室を設けたり、一戸建て感覚が味わえるメゾネット形式として建設されていることもあります。
傾斜地マンションは、普通のマンションに比べて、建設時に配慮すべき点があるため、技術的にも優れたマンションであることは言えると思います。
傾斜地マンション避ける理由
傾斜地マンションは、近隣のマンションと比較して安く売買金額が設定されているケースがありますが、傾斜地マンションは避けた方が無難です。ここでは、傾斜地マンションを避ける理由を綴ります。
理由1:立地的によくない
「不動産」とは、立地が命です。文字通り、購入してから動かすことができないのが「不動産」です。
傾斜地に建っているマンションと言うことは、マンションに辿りつくまでに坂道や階段を通らなければならないということです。
エレベーターあるいはエスカレーターも長くなりがちなので、メンテナンスにも費用が必要となってきます。
坂道の種類にもよりますが、若い頃の坂道や階段は苦ではなくても、年齢を重ねてからの坂道や階段は辛くなります。
「毎日の運動になって、よいのではないか。」という意見もありますが、坂道のある一軒家やマンションにお住まいの方からは、「坂道が辛い。」という口コミ情報があります。
傾斜地マンションに住む場合の想像を働かせてみてください。普段の買い物はどこでするのでしょうか。病院・学校・金融機関(郵便局)・最寄り駅・役所などへは行く場合は、坂道を通らないといけないのではないでしょうか。
仮に電動自転車で行くとしても、下りは楽かもしれませんが、上りは結構辛いのではないでしょうか。
マンション付近まで、バスなどの交通機関が通っていれば救いようがありますが、それでも、交通機関がいつなくなるのかは保証できません。リスクは結構高いです。
理由2:中古として売れにくい
「理由1:立地的によくない」とも関連しますが、立地がよくない場所のマンションは、中古として売り出す場合に、売れにくいことになります。
どうしても、傾斜地マンションでなければ困るという理由があれば別ですが、多くの人は、立地のよい場所に建つ中古マンションを求めるでしょうね。
中古として売れたとしても、資産価値として高くは見てくれないでしょうから、販売価格も安くなるのではないでしょうか。そうなると、住宅ローンが残ってしまう可能性があります。
理由3:災害時のリスクが高い
傾斜地に建つマンションということは、周りの土砂災害の影響を受けがちです。最近は、ゲリラ豪雨など、一時的に大量の雨が降りますので、土砂崩れが心配です。
災害時に避難することが難しいかもしれませんし、傾斜地の場合は、災害時のインフラの復旧に時間がかかるかもしれません。
マンション住民が避難するとしても、避難場所まで時間がかかることが想定されます。
理由4:大規模修繕工事に費用がかかる
大規模修繕工事を行うためには、材料や工具などの搬入が必要となります。平地であればスムーズに搬入ができるのですが、傾斜地のマンションの場合は、スムーズに搬入ができない可能性があります。
変形したマンションの大規模修繕工事と平地に建てられたマンションの大規模修繕工事であれば、当然、変形したマンションの方が日数的にも金額的にも工数がかかるのは当然です。
おわりに
傾斜地マンションをあえて選択する必要はありません。
長年住むことを考えると、傾斜地ではなく平地に建てられた一般のマンションの方がよいでしょうね。
傾斜地に立つマンションは避けるべきなのか
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