管理組合

収納口座と保管口座、財産の分別管理イロハの違いは?

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「マンション管理組合の収納口座と保管口座って何が違うの?」

「管理費や修繕積立金は、どの口座に入っているの?」

「財産の分別管理の『イロハ』って、イ・ロ・ハの3種類があるの?」

マンション管理組合の理事になった人なら、一度は疑問に思うところではないでしょうか。

マンション管理では、区分所有者から集めた管理費や修繕積立金を、管理会社の固有財産などと混ぜて管理してはいけません。国土交通省の制度では、管理組合の財産を適切に分けて管理するため、いくつかの方法が定められています。

ところが、「収納口座」「保管口座」「収納・保管口座」と似たような名前が出てくるので、初めて見るとかなり分かりにくいです。

では、収納口座と保管口座は何が違うのでしょうか?

この記事では、財産の分別管理における「イ・ロ・ハ」の違いを、マンション管理組合の理事になった人にも分かりやすく解説します。

~ この記事で分かること ~

  • 収納口座と保管口座の違い
  • 財産の分別管理とは何か
  • イ・ロ・ハの3つの管理方法
  • 修繕積立金がどこへ移されるのか
  • 管理会社が口座を管理するときの注意点

マンションの「財産の分別管理」とは?

まず、「財産の分別管理」という言葉から確認しておきましょう。

マンション管理会社が管理組合から管理費や修繕積立金などを預かっている場合、そのお金を管理会社自身のお金や、別のマンションの管理組合のお金と混ぜてしまったら大変です。

例えば、Aマンションの修繕積立金が1億円、Bマンションの修繕積立金が5,000万円あったとして、それを管理会社の口座にまとめて入れてしまったら、「この5,000万円はどこのマンションのお金なの?」となってしまいます。

そこで、管理組合の財産を管理会社の固有財産や他の管理組合の財産と分けて管理することが求められています。国土交通省も、管理組合から委託を受けて管理する財産について、分別管理する仕組みを示しています。

これは当然といえば当然です(でも、こういう「当然のこと」を制度として細かく決めておかないと、お金の管理では事故が起こります)。

特にマンションでは、毎月数百万円単位のお金が動く大規模マンションもあります。さらに修繕積立金には、大規模修繕工事などのために数千万円、場合によっては億単位のお金が積み上がっていることもあります。

収納口座と保管口座の違いは?

簡単にいうと、収納口座は「お金を集めて日常の支払いなどに使うための口座」、保管口座は「積み立てたお金などを保管しておくための口座」と考えると分かりやすいでしょう。

項目 収納口座 保管口座
主な役割 管理費等を収納する 修繕積立金等を保管する
お金の動き 入金・支払いが比較的多い 日常的な動きは少ない
特徴 管理事務の支払いに利用 多額の資金を保管することが多い
管理会社による印鑑等の管理 一定の方式では認められる 原則として禁止

収納口座は、区分所有者から集めた管理費などが入ってきて、そこから管理事務に必要な費用が支払われるため、比較的お金の出入りが多い口座です。

一方の保管口座は、修繕積立金などを保管することが主な役割です。将来の大規模修繕工事などに使うお金ですから、毎月の電気代や清掃費をここからどんどん支払うような口座ではありません。

そのため、「収納」と「保管」を分けることで、管理組合のお金をより明確に管理する仕組みになっています。

ただし、ここで注意したいのが「収納口座=管理会社の口座」という単純な話ではないことです。口座の名義や印鑑の管理方法などによって、適用される分別管理の方法が変わります。

【関連記事】マンション管理組合の口座名義変更を失念したため二度手間に

財産の分別管理には「イ・ロ・ハ」がある

ここからが少しややこしいところです。

マンション管理適正化法の関係規定では、修繕積立金等を金銭で管理する方法として、イ・ロ・ハの3つの方法が定められています。国土交通省の資料でも、この3方式が図解されています。

ざっくり整理すると、次のようになります。

方式 お金の流れ ポイント
イ 修繕積立金等を収納口座へ入金し、残額を保管口座へ移す 収納口座から保管口座へ移し換える
ロ 修繕積立金は保管口座、管理費等は収納口座へ入金 それぞれの性格に合わせて分ける
ハ 収納・保管口座で一括管理 1つの口座で収納と保管を行う

この「イ・ロ・ハ」は、単なる銀行口座の名称ではありません。

管理組合のお金を「どこに入れて、どのタイミングで、どこへ移すのか」という財産管理の方式なのです。

マンション管理士試験や管理業務主任者試験でも、財産の分別管理「イ・ロ・ハ」の違いは問われやすい重要テーマではないでしょうか。

【関連記事】マンション管理士通信講座ならアガルート!試験対策におすすめの理由・合格率45.51%・全額返金制度を解説

「イ」の方法は収納口座から保管口座へ移す

「イ」の方法では、区分所有者から徴収した修繕積立金等を収納口座に入れます。

そして、毎月、その月分として徴収された金銭から、その月の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座へ移し換えて管理します。

例えば、1か月に管理費・修繕積立金として500万円集まり、その月の管理事務に必要な支払いが300万円だったとします。

この場合、単純化すれば残りの200万円を収納口座から保管口座へ移す、というイメージです。

つまり、収納口座は「お金が入ってきて、必要な支払いを行い、残ったお金を保管口座へ移す場所」と考えると理解しやすいでしょう。

なお、この方式では一定の条件のもとで、収納口座について管理会社が通帳や印鑑などを管理することが認められています。一方、保管口座については印鑑や預貯金の引出用カードなどの管理が禁止されています。

「ロ」の方法は修繕積立金を最初から保管口座へ

「ロ」の方法になると、少し分かりやすくなります。

修繕積立金については、最初から保管口座に入れて管理します。

一方、管理費などについては収納口座に入れ、そこから管理事務に必要な費用を支払い、残額を翌月末日までに保管口座へ移します。

つまり、修繕積立金については、最初から「保管するお金」として扱うわけです。

大規模修繕工事のために積み立てている修繕積立金を、日常的な管理費の支払いに使うわけではありませんから、この方法はイメージしやすいと思います。

(実際には法令上の細かな条件がありますので、「修繕積立金だから絶対に動かせない」という意味ではありません。ここはざっくり理解しすぎないことが大切です。)

「ハ」は収納・保管口座で一括管理する

そして「ハ」の方法です。

「収納口座と保管口座を分けるのなら、1つの口座ではダメなの?」と思うかもしれません。

実は、一定の要件を満たす方法として、修繕積立金等を「収納・保管口座」に入れて、その口座で預貯金として管理する方法もあります。

つまり、イとロのように収納口座から保管口座へ資金を移すのではなく、収納と保管を1つの口座で行うのが「ハ」の方法です。

ただし、1つの口座で管理するからといって、管理会社のお金と混ぜていいわけではありません。

あくまでも管理組合等を名義人とする口座で管理し、財産を分別しておくことが前提です。

管理組合の理事が確認しておきたいポイント

理事長や理事になった場合、「うちのマンションはイ・ロ・ハのどれなんだろう?」と確認しておくことをおすすめします。

まず確認したいのは、管理委託契約書です。

管理会社に管理費や修繕積立金の収納・保管を委託している場合、どのような方法で財産を分別管理するのかが契約関係書類に記載されているはずです。

次に確認したいのが、収納口座・保管口座の名義、通帳や印鑑を誰が管理しているのかです。

特に修繕積立金は、大規模修繕工事などで一気に大きなお金が動く可能性があります。

「管理会社に任せているから大丈夫」で終わらせるのではなく、理事会として口座残高や収支状況を確認することが重要です。管理会社には、毎月、管理組合の会計の収入・支出状況に関する書面を作成し、翌月末日までに管理者等へ交付する義務があります。

【関連記事】大京アステージ名古屋支店で横領!管理組合がチェックすべきは?

収納口座と保管口座は「お金の役割」で考える

収納口座と保管口座の違いは、名前だけを見ると分かりにくいものです。

しかし、「収納=集めて日常の支払いに使う」「保管=将来のために保管する」と考えると、かなり理解しやすくなります。

そして、財産の分別管理には「イ・ロ・ハ」の3つの方法があります。

  • イ:収納口座に入れて、残額を保管口座へ移す
  • ロ:修繕積立金は保管口座、管理費等は収納口座で管理する
  • ハ:収納・保管口座で一括管理する

どの方式を採用しているかによって、お金の流れや管理会社の関与の仕方が変わります。

マンション管理組合のお金は、毎月少しずつ動いているため、普段はあまり気にならないかもしれません。

でも、修繕積立金が数千万円、場合によっては億単位になってくると話は別です。

「管理会社に任せているから知らなくてもいい」ではなく、理事会として財産の分別管理方法を理解しておくことが大切です。

一度、管理委託契約書や会計資料を確認して、「うちのマンションはイ・ロ・ハのどれなのか?」を確認してみてはいかがでしょうか。

(私もマンション管理に関わっていると、「こんなところまで確認するのか」と思うことがあります。でも、管理組合のお金を守るためには、この地味な確認が意外と重要なんですよね。)

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独身でマンションを購入し、売却を経験した管理人です。失敗や後悔をすることがないように経験から得られた知識を発信することでマンション購入のお役立ちとなるように願っています。「マンションは管理を買え!」と言われるように、購入して後悔のないように願うばかりです。理事長や副理事長・大規模修繕委員の経験もあり、管理委託費の削減も行いました。 お問い合わせはこちら

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