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マンション管理費が余剰の場合は修繕積立金へ振り替えるため規約変更が必要

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「マンションの管理費が毎年余っているけれど、修繕積立金に回したほうが良いのでは?」

「大規模修繕工事に備えて、余った管理費を修繕積立金へ振り替えたい!」

このように考えている管理組合の役員や区分所有者の方もいるのではないでしょうか。

確かに、管理費に毎年数十万円、場合によっては100万円単位の余剰金が発生しているのであれば、「このお金を修繕積立金に回せばいいじゃないか」と考えてしまいます。

私自身も、管理組合の運営に関わってきましたので、この感覚はよく分かります(余っているお金があるなら、将来の修繕に使いたくなりますよね)。

しかし、管理費の余剰金を修繕積立金へ振り替える場合、マンションの管理規約を確認しなければなりません。

特に重要なのが「管理費等の過不足」に関する条文です。

この記事では、マンション管理費の余剰金を修繕積立金へ振り替える場合に、なぜ規約変更が必要になるのか、そして総会ではどのように対応すればよいのかを解説します。

~ この記事で分かること ~

  • 管理費の余剰金は自由に使えるのか
  • 標準管理規約第61条の考え方
  • 修繕積立金へ振り替えるための規約変更
  • 理事会だけで決定してはいけない理由
  • 総会で議案化するときのポイント

マンション標準管理規約第61条では管理費の余剰金をどう扱う?

まず確認したいのが、マンション標準管理規約第61条の「管理費等の過不足」です。

第61条 収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。

2 管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。

マンション標準管理規約第61条(管理費等の過不足)

ここで注目したいのが、「その余剰は翌年度における管理費に充当する」という部分です。

つまり、お住まいのマンションの管理規約が標準管理規約第61条と同じ内容になっているのであれば、管理費の余剰金をそのまま修繕積立金へ振り替えることはできません。

「管理費も修繕積立金も管理組合のお金なのだから、移動させても問題ないだろう」と考えてしまいそうですが、そう単純ではありません。

管理費と修繕積立金は、そもそも使途が異なります。

毎月集めている管理費は、管理員費、清掃費、設備の保守点検費、電気料金など、マンションの日常的な維持管理に使われます。

一方、修繕積立金は将来の大規模修繕工事など、計画的な修繕に備えて積み立てるものです。

そのため、「余ったから修繕積立金に入れてしまおう!」と理事会だけで決めるのは避ける必要があります。

管理費の余剰金を修繕積立金へ振り替えるには規約変更が必要

では、管理費の余剰金を修繕積立金へ振り替えたい場合は、どうすればいいのでしょうか。

一つの方法として、管理規約そのものを変更する方法があります。

例えば、「その余剰は翌年度における管理費に充当する。」という条文に加えて、「ただし、総会の決議を経て、その全部又は一部を翌年度における修繕積立金に充当することができる。」といった内容を規定します。

こうしておけば、毎年度の管理費決算で余剰が発生した場合に、総会の決議を経て、その全部または一部を修繕積立金へ回すことが可能になります。

これは、管理組合にとってかなり使いやすい仕組みです。

例えば、年間の管理費収入が1,500万円、支出が1,400万円だったとします。

単純計算では100万円の余剰です。

この100万円を翌年度の管理費に充当する方法もありますが、管理費会計に毎年余裕があるのであれば、大規模修繕工事に備えて修繕積立金へ回したいと考えることもあるでしょう。

ただし、ここで大切なのが「規約にその根拠があるか」です。

管理費の余剰金を理事会だけで修繕積立金へ振り替えてはいけない

「毎年やっていることだから、今年も理事会で決めてしまえばいいのでは?」

このように考えるのは危険です。

特に、管理規約に修繕積立金への振り替えを認める規定がないのであれば、理事会だけで処理するのではなく、総会で区分所有者に説明し、必要な決議を経ることが重要です。

本来は管理費として扱うことになっている余剰金を、修繕積立金として扱うわけですから、「理事会で決定して、通常総会では決算報告だけすればいい」という考え方ではいけません。

管理組合のお金は、理事長や理事会の個人的なお金ではありません。

区分所有者から徴収した大切な管理組合財産です。

だからこそ、どの会計にいくら振り替えるのかを、区分所有者に分かるように説明する必要があります。

例えば、管理費余剰金が100万円ある場合、「100万円すべてを修繕積立金へ振り替えます」とするのか、「50万円だけ振り替えて、残り50万円は翌年度管理費に充当します」とするのかによっても、組合員への説明は変わってきます。

規約変更と余剰金の振り替えを同じ総会で議案化する

管理費の余剰金を修繕積立金へ振り替えるために規約変更をするのであれば、総会の議案としてしっかり準備しておきましょう。

例えば、まず管理規約を変更して、「総会の決議を経て、管理費の余剰金の全部または一部を修繕積立金へ充当できる」という規定を設けます。

そして、それとは別に「今年度の管理費余剰金100万円のうち、100万円を修繕積立金へ充当する」という具体的な議案を提出する方法が考えられます。

規約変更の議案と、実際に充当する金額の議案を整理して提出することがポイントです。

一度の総会で説明できれば、区分所有者にとっても「なぜ規約を変えるのか」「今年はいくら振り替えるのか」が分かりやすくなります。

ただし、規約変更には通常の議案とは異なる決議要件が関係する場合があります。

そのため、「とりあえず総会に出して賛成多数なら大丈夫」と考えず、実際の管理規約や区分所有法上の決議要件を確認して議案を作成することが大切です。

【関連記事】マンション総会の進行はコツ4点を抑えよ

すでに修繕積立金へ振り替えられる規約になっている場合もある

ここまで読むと、「うちのマンションも規約変更しなければいけないのか!」と思われるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。

マンションの管理規約は、すべてがマンション標準管理規約と同じとは限りません。

最近のマンションでは、すでに管理費の余剰金を修繕積立金へ振り替えられるような条文になっている場合もあります。

私が購入したマンションでは、すでに対応済みでした。

つまり、「マンション標準管理規約第61条だから、必ず規約変更が必要」と決めつけるのも間違いです。

まずは、お住まいのマンションの管理規約を確認してください。

「管理費等の過不足」という条文が第61条にあるとは限りません。

マンションによって条番号が違うからです。

また、管理規約の改正履歴がある場合には、以前の規約から条文が変更されていないかも確認するとよいでしょう。

管理費の余剰金は修繕積立金不足への備えにもなる

マンションの修繕積立金は、将来の大規模修繕工事を考えると非常に重要です。

築年数が経過すれば、外壁、防水、鉄部、給排水設備、エレベーターなど、さまざまな部分に修繕費用が必要になります。

ところが、修繕積立金が不足していると、大規模修繕工事の際に一時金を徴収したり、修繕積立金を値上げしたりする必要が出てくる可能性があります。

そのため、管理費に恒常的な余剰が発生しているマンションであれば、「そのお金をどうするのか」は理事会でも考えておきたい問題です。

ただし、管理費を無理に節約して余剰金を作ることが正解とは限りません。

必要な清掃や点検まで削ってしまえば、マンションの維持管理に悪影響が出る可能性があります。

大切なのは、適切な管理を行ったうえで余剰が発生しているのかを確認することです。

そのうえで、将来の修繕に備えて修繕積立金へ回すことを検討すればよいでしょう。

【関連記事】修繕積立金の値上げ時期は早い方がよい理由

まとめ|管理費の余剰金を修繕積立金へ振り替える前に規約を確認しよう

管理費の余剰金が発生すると、「修繕積立金に回せば将来安心!」と考えたくなります。

私も、マンションの将来を考えれば、その考え方自体は理解できます。

しかし、管理費と修繕積立金は別の会計です。

マンション標準管理規約第61条では、管理費に余剰が生じた場合、その余剰は翌年度の管理費に充当するという規定になっています。

そのため、お住まいのマンションの規約が標準管理規約第61条と同じ内容なら、管理費の余剰金を修繕積立金へ振り替えるには、規約変更などの対応が必要になります。

そして、規約に振り替えを認める規定がない状態で、理事会だけで勝手に処理するのは避けるべきです。

まずは管理規約を確認し、管理費等の過不足についてどのように定められているのかを確認してください。

すでに「総会の決議を経て修繕積立金へ充当できる」という規定があれば、その規定に従って総会議案を準備します。

規定がなければ、規約変更と具体的な余剰金の充当について、総会で区分所有者へ説明することを検討しましょう。

「毎年のことだから大丈夫!」ではなく、まず管理規約を確認する。

これが、管理組合のお金を適切に扱うための第一歩です。

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独身でマンションを購入し、売却を経験した管理人です。失敗や後悔をすることがないように経験から得られた知識を発信することでマンション購入のお役立ちとなるように願っています。「マンションは管理を買え!」と言われるように、購入して後悔のないように願うばかりです。理事長や副理事長・大規模修繕委員の経験もあり、管理委託費の削減も行いました。 お問い合わせはこちら

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