マンションの水害対策マニュアルある?「うちは大丈夫」が危険!浸水前に確認したいこと

「マンションの水害対策って、何をすればいいの?」「マンションなら高層階だから水害は関係ない?」「大雨で周辺道路が冠水したら、マンションは大丈夫?」と不安に感じたことはありませんか?
マンションは戸建て住宅と比べて水害に強いイメージがあります。しかし、マンションだから水害の心配がないとは限りません。
特に注意したいのが、地下設備や電気設備、受水槽、エレベーターなどです。建物そのものが浸水しなくても、地下や1階部分が浸水することで生活に大きな影響が出る可能性があります。
では、マンションではどのような水害対策をしておけばよいのでしょうか?
この記事では、区分所有者やマンションの理事・管理会社の人が確認しておきたいマンションの水害対策マニュアルとして、事前に確認したい設備や避難、管理組合で考えておきたい対策を分かりやすく解説します。
~ この記事で分かること ~
- マンションの水害リスク
- 地下設備の浸水対策
- 電気設備・エレベーター対策
- 管理組合で準備すること
- 水害発生時の行動
■ 目次 ■
マンションの水害対策は必要?高層階でも油断できない

「マンションは2階、3階以上なら浸水しないから大丈夫」と考えている人もいるでしょう。
確かに、床面の高さだけを考えれば、戸建て住宅の1階より浸水被害を受けにくいケースがあります。
しかし、水害で注意したいのは「部屋の中に水が入ってくること」だけではありません。
例えば、地下駐車場、地下機械室、電気設備、ポンプ設備などが浸水すると、建物全体の生活機能に影響する可能性があります。
エレベーターが停止すれば、高層階の住民は階段を利用しなければなりません。(普段はエレベーターしか使わない人にとっては、かなり厳しいですよね。)
つまり、自分の部屋が浸水しない=マンションが水害に強いとは限らないのです。
2026年9月8日の名古屋市の大雨で感じた水害の怖さ
2026年9月8日、名古屋市では観測史上最大となった大雨がありました。
そのときの栄の道路は、まるで川のような状態。車が水しぶきをあげながら走っている光景を見ると、「ここは本当に道路なのか?」と思ってしまうほどでした。
急速に降った大雨によって、排水機能が追いつかなかったとみられ、街には大量の水があふれていました。
ところが、栄の道路が冠水しているとき、名駅周辺の道路は路面こそ濡れていましたが、冠水していませんでした。
「この差は一体なんなんでしょうか?」
実は、その秘密は地下にあったんです。
都市部では、大雨に備えて地下に雨水を一時的に貯留する施設や排水設備などが整備されている地域があります。もちろん、すべての場所が同じ対策をしているわけではありません。
この違いを見ると、マンションの水害対策でも「建物だけを見る」のではなく、周辺地域の排水能力や地下設備まで確認することが重要だと感じます。
午後4時ごろに名古屋市中区栄で撮影した映像では、道路が冠水して川のようになっています。
車のタイヤの一部が水につかり、水しぶきをあげながら走行しています。また、走行している車はライトをつけていて、車道と歩道の境もわからなくなっています。https://t.co/BXqQQinE8Q#nhk_video pic.twitter.com/UA4bNYk03O
— NHKニュース (@nhk_news) September 8, 2026
マンションの水害対策で最初に確認したい場所
マンションの水害対策を考えるなら、まず建物のどこに水が入りやすいのかを確認しましょう。
特に確認したいのが次の場所です。
- 地下駐車場
- 地下機械室
- 電気室・受変電設備
- 給排水設備
- エレベーター設備
- 1階のエントランスや共用部分
- ゴミ置場などの低い場所
例えば地下駐車場の入口に大量の雨水が流れ込めば、短時間で水位が上昇する可能性があります。
「地下だから雨が入ってこないだろう」と考えるのは危険です。
そこで確認したいのが、止水板や止水扉、土のうなどの浸水対策です。
また、実際に大雨が降ったとき、誰が設置するのかも重要です。
設備が用意されているだけでは、水害対策として十分ではありません。
管理人がいる時間帯なら対応できますが、夜間や休日だったらどうするのか。理事会として事前に決めておく必要があります。
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マンションの電気設備は浸水すると大きな問題に
水害対策で特に注意したいのが電気設備です。
電気室や受変電設備などが浸水すると、建物全体の電力供給に影響する可能性があります。
すると、照明だけではなく、エレベーター、給水ポンプ、オートロックなど、マンション生活に必要な設備が使えなくなることも考えられます。
ここが戸建て住宅とは違うマンション特有の怖さです。
部屋は無事なのに、エレベーターが動かない。水道が出ない。オートロックが正常に動作しない。
そんな状況になれば、「部屋が浸水しなかったから大丈夫」とは言えません。
そのため、マンションを購入するときにも、電気設備がどこに設置されているのかを確認することをおすすめします。
新築マンションならパンフレットや設計図書、中古マンションなら管理会社や管理組合に確認してみましょう。
マンションのエレベーターは水害時どうする?
水害が発生した場合、エレベーターにも注意が必要です。
特に地下階や1階付近のエレベーター乗降口から浸水する可能性があるマンションでは、エレベーター設備への影響を考えておく必要があります。
大雨が予想される場合には、管理会社や保守会社と連携して、どのタイミングでエレベーターを停止するのかなど、対応方法を決めておくことが重要です。
もちろん、具体的な停止操作などは、エレベーター保守会社の手順に従う必要があります。
また、停電や浸水によってエレベーターが使えなくなった場合を想定して、階段での移動も考えておきましょう。
高層階の住民ほど、「階段で降りる」というだけでも大きな負担になります。
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管理組合が準備しておきたいマンション水害対策マニュアル
水害対策は、個人だけで行うよりも管理組合として準備しておくことが重要です。
例えば、次のような項目を事前に整理しておくとよいでしょう。
- マンション周辺のハザードマップを確認する
- 地下設備や電気設備の位置を確認する
- 止水板や土のうなどの保管場所を確認する
- 誰が浸水対策を実施するのか決める
- 大雨時の管理会社との連絡方法を確認する
- エレベーター停止時の対応を確認する
- 停電・断水時の対応を住民へ周知する
- 防災倉庫の備蓄品を確認する
ここで重要なのが「担当者」です。
「大雨になったら土のうを設置しましょう」と決めても、誰がやるのかが決まっていなければ、実際の災害時には動けません。
理事長がやるのか、管理会社なのか、管理員なのか、それとも複数の住民で対応するのか。
水害対策は「何をするか」だけでなく「誰がするか」まで決めておくことが大切です。
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大規模な水害が発生した場合、理事会だけでマンション全体の対策を検討し、迅速に対応するのは難しいかもしれません。
そこで、「専門委員会」を設置し、マンション住民にも参加してもらいながら、水害対策を検討する方法があります。さまざまな住民の意見や知識を取り入れ、「誰が・何を・いつ行うのか」まで事前に決めておくことが、いざというときの被害を抑えることにつながります。
マンション住民が大雨の前に準備すること
区分所有者や居住者も、自分の住戸だけでなくマンション全体を意識して準備しておきましょう。
まず確認したいのが、自分のマンション周辺のハザードマップです。
浸水想定区域や想定される浸水深を確認し、避難場所や避難経路も把握しておきます。
また、大雨の前にはベランダの排水口が詰まっていないかも確認しましょう。
ベランダに落ち葉やゴミがたまっていると、雨水が流れにくくなる可能性があります。
ただし、ベランダの排水設備や避難経路にはマンション独自のルールがあります。勝手に設備を改造したり、排水口を塞いだりしないよう注意してください。
さらに、停電や断水を想定して、飲料水、非常食、モバイルバッテリー、懐中電灯なども準備しておきましょう。
「マンションだから備蓄はいらない」という考え方はおすすめできません。
マンションの水害対策は「地下」を確認しよう
マンションの水害対策を考えるとき、「自分の部屋が何階なのか」だけを見てはいけません。
重要なのは、建物の地下や1階にどのような設備があるのかです。
電気設備、ポンプ設備、エレベーター設備などが浸水すると、住戸そのものに水が入らなくても生活に大きな影響が出る可能性があります。
2026年9月8日の名古屋市の大雨で、栄の道路が川のようになった一方、名駅周辺では冠水していない場所がありました。
この差を見ると、同じ都市部でも排水や雨水対策などのインフラによって被害の出方が変わることを実感します。
だからこそ、マンションの購入時にはハザードマップだけでなく、「このマンションは水害が起きたとき、どこが弱点になるのか?」まで考えておきたいところです。
管理組合としても、止水板や土のうなどを用意するだけで終わりにせず、実際に誰がどのように使うのかを確認しておきましょう。
水害は「いつ起きるか分からない」からこそ、起きてから考えるのでは遅いのです。
普段は使わない地下設備や防災倉庫を一度確認してみる。それだけでも、マンションの水害対策を考える大きなきっかけになるのではないでしょうか。
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