宅配ボックスの増設をマンションで行うには?費用や必要数、総会決議を解説

「マンションの宅配ボックスがいつもいっぱいで、荷物を受け取れない」「ネット通販を利用する人が増えて、宅配ボックスが足りない」「もう少し増やしてほしいけれど、誰に相談すればいいの?」
このように感じているマンション住民は少なくないでしょう。
宅配ボックスは、今ではマンション生活に欠かせない便利な設備の一つです。しかし、築年数の経過したマンションでは、分譲当時よりもネット通販の利用が増え、「昔は足りていたのに、今は全然足りない」という状態になることがあります。
私自身、マンションの理事長や修繕委員を経験しましたが、共用部分の設備を増やすとなると、「便利だから付ければいい」という簡単な話ではありません。
費用は誰が負担するのか、設置場所はどこなのか、管理組合の許可は必要なのか、総会で決議する必要があるのか……。考えることが意外と多いんです。
この記事では、マンションの宅配ボックスを増設したいと考えている住民や管理組合の役員に向けて、相談先から総会決議、補助金、必要な設置数の考え方まで分かりやすく解説します。
~ この記事で分かること ~
- 宅配ボックス増設の相談先
- 管理組合の許可が必要なのか
- 総会で可決するための進め方
- 補助金を利用できる可能性
- 必要な宅配ボックスの台数
- 世帯数に対する設置数の目安
■ 目次 ■
マンションの宅配ボックス増設は誰に相談すればいい?

宅配ボックスを増設したいと思ったら、まず相談したいのが管理会社または管理組合の理事長・理事会です。
住民が個人的に業者へ連絡して、「この場所に宅配ボックスを置いてください」と決められるものではありません。
特に、エントランスやメールボックス周辺などの共用部分に設置する場合は、マンション全体に関係する設備変更になります。
そのため、まずは管理会社へ「現在の宅配ボックスが不足しているので、増設を検討できないでしょうか」と相談し、管理組合へ要望として伝えてもらう方法が分かりやすいでしょう。
理事会役員であれば、管理会社に資料や見積もりを出してもらい、設置場所や費用、電源工事の必要性などを確認するところから始めるとよいでしょう。
ただし、管理会社が勝手に宅配ボックスを増設するわけではありません。
最終的にどのような決定が必要なのかは、マンションの管理規約や工事内容を確認する必要があります。
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宅配ボックスの増設には管理組合の許可が必要?
マンションの共用部分に宅配ボックスを増設するのであれば、基本的には管理組合として正式に検討する必要があります。
例えば、エントランスの一角に新しい宅配ボックスを設置するとします。
この場合、設置スペースだけでなく、床や壁への固定、電源、場合によっては通信設備などにも関係してきます。
「空いている場所に置くだけだから簡単でしょう」と思うかもしれません。
でも、実際にはそうでもありません(マンションの共用部分って、思った以上に勝手に変更できないんですよね)。
確認したいのは、次のような項目です。
- 管理規約で共用部分の変更についてどう定めているか
- 宅配ボックスを設置する場所
- 固定方法
- 電源工事の有無
- 防火・避難経路への影響
- 設置費用
- 保守・修理費用
- 既存設備との接続方法
単純に「宅配ボックス本体の価格」だけを比較するのではなく、設置工事や電源工事、将来的な修理費なども含めて考えることが大切です。
宅配ボックス増設の議案を総会で可決するには?
宅配ボックスの増設を管理組合として進める場合、理事会で検討したうえで、必要に応じて総会の議案として提出することになります。
ここで大切なのが、「便利だから増設しましょう」だけではなく、なぜ必要なのかを数字で説明することです。
例えば、「宅配ボックスが足りません」というアンケート結果だけよりも、「過去3か月間で満杯になった日が○日あった」「住民から○件の要望があった」「現在は50戸に対して10ボックスしかない」など、具体的な資料があるほうが議案を理解してもらいやすくなります。
議案書には、次のような内容を入れておくとよいでしょう。
- 現在の宅配ボックスの設置数
- 現在発生している問題
- 住民アンケートの結果
- 増設するボックス数
- 設置場所
- 工事内容
- 見積金額
- 管理費・修繕積立金など、どの会計から支出するのか
- 維持管理費
- 補助制度を利用できる可能性
特に「100万円かかります」と金額だけ示されると、「そこまで必要なの?」という意見が出るかもしれません。
反対意見が出ることも想定し、複数の業者から見積もりを取ったり、増設数を変えた場合の費用を比較したりすると、総会で説明しやすくなります。
総会では、質問が出ることを前提に資料を準備しておくことが重要です。
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マンションの宅配ボックス増設に補助金は利用できる?
「宅配ボックスを増やしたいけれど、管理組合の予算がない」という場合に気になるのが補助金です。
宅配ボックスについては、国や自治体などが実施する住宅関連の補助制度の対象となる場合があります。
ただし、「宅配ボックスなら必ず補助金がもらえる」というわけではありません。
年度によって制度の内容が変わることもありますし、対象となる建物、設置方法、製品、申請者、工事時期などに条件が付いている場合があります。
そのため、理事会で増設を検討するときは、最初から「補助金はない」と決めつけないほうがよいでしょう。
管理会社や宅配ボックスメーカーに補助制度の対象になるか確認し、さらに自治体の住宅関連補助制度も調べてみる方法があります。
なお、補助金は「工事が終わってから申請すればいい」とは限りません。制度によっては、交付決定前に契約や着工をすると対象外になることもあります。
したがって、「補助金を調べてから、契約・発注する」という順番を意識したほうが安心です。
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宅配ボックスは何台増設すればいい?
ここが理事会で悩みやすいところです。
「今は足りないから10台増やそう!」では、根拠がありません。
宅配ボックスの必要数は、マンションの戸数だけでなく、ネット通販の利用状況、居住者の在宅率、宅配ボックスのサイズ、荷物が取り出されるまでの時間などによって変わります。
一般的な目安として、総戸数に対して20~35%程度という考え方があります。
| 総戸数 | 20% | 30% | 35% |
|---|---|---|---|
| 50戸 | 10個 | 15個 | 18個 |
| 100戸 | 20個 | 30個 | 35個 |
| 200戸 | 40個 | 60個 | 70個 |
例えば100戸のマンションで現在20個しかなければ、総戸数の20%です。
これで実際に足りているのか、それとも30%程度まで増やしたほうがよいのかを、利用状況から検討します。
また、単純にボックス数を増やすだけでは不十分な場合があります。
小型の荷物ばかりなのか、飲料や大型の荷物が多いのかによって、必要なボックスサイズも変わるからです。
宅配ボックスの設置数は世帯数の何%が目安?
宅配ボックスの設置数について、「総戸数の何%なら絶対に足りる」という全国共通の基準があるわけではありません。
そのため、20~35%程度という数字はあくまで検討するときの目安として考えたほうがよいでしょう。
例えば、100戸のマンションで30個設置していても、共働き世帯が多く、平日の昼間にほとんど住民が在宅していない場合は、宅配ボックスが満杯になることがあります。
反対に、在宅率が高いマンションなら、同じ100戸でも少ない数で足りる可能性があります。
さらに重要なのが「荷物をいつ取り出しているか」です。
宅配ボックスに荷物が入ったまま翌日、翌々日まで残っていれば、新しい荷物を入れる場所がなくなります。
つまり、「設置数」だけではなく「回転率」も確認する必要があるということです。
増設前には、住民アンケートを実施したり、管理人に「満杯になるのは何曜日が多いのか」「何時ごろ満杯になるのか」を聞いたりすると、より現実的な判断ができます。
宅配ボックス増設は「数」だけでなく運用も考える
宅配ボックスを増設すれば、すべての問題が解決するとは限りません。
例えば、荷物を長期間取り出さない住戸が多ければ、ボックスを10個増やしても、また満杯になる可能性があります。
また、既存の宅配ボックスが古くなっている場合は、「増設」ではなく「交換」も選択肢になります。
理事会としては、単に台数だけを見るのではなく、現在の利用状況、故障状況、荷物のサイズ、設置スペースなどをまとめて確認するとよいでしょう。
宅配ボックスは便利な設備です。
だからこそ、住民から「増やしてほしい」と要望が出たときに、感覚だけで決めるのではなく、「本当に何個必要なのか」を数字と利用実態から考えることが大切です。
まとめ|宅配ボックス増設は理事会で調査して総会へ
マンションの宅配ボックスが足りない場合、まずは管理会社や管理組合の理事長・理事会へ相談しましょう。
共用部分に設置するのであれば、管理規約や工事内容を確認したうえで、管理組合として正式に検討する必要があります。
総会で承認を得る場合は、単に「便利だから増設したい」とするのではなく、現在の設置数、満杯になる頻度、住民アンケート、見積金額、設置場所、維持費などを整理して議案にすると説明しやすくなります。
補助金についても、国や自治体の制度が利用できる可能性があるため、増設を決める前に確認しておきましょう。
そして、設置数については総戸数の20~35%程度という目安を参考にしながら、マンションの実際の利用状況を確認することが重要です。
「宅配ボックスが足りないから、とにかく増やす」ではなく、マンションの住民が本当に使いやすい数・サイズ・場所・運用方法を考える。
これが、管理組合で宅配ボックス増設を成功させるポイントではないでしょうか。
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