マンション管理組合の理事長に報酬は必要か
「マンションは管理を買え!」と言われるように、良い分譲マンションは、管理組合(理事会)の活動が活発で適切です。マンションの管理組合を円滑に進めるために「理事会」が存在しますが、理事長に報酬を支払うことは必要なのかどうかについて綴ります。マンション管理の主役は、管理会社ではなく、理事長を中心とした管理組合なのです。
■ 目次 ■
マンション管理組合とは
分譲マンションを購入すると、否応なしに管理組合という組織の一員となります。この管理組合には、輪番制又は立候補制で役員となる人が決められます。輪番制とは、毎年ある一定のルールで順番に役員を決める方法であり、立候補制とは、文字通り自らが役員に名乗り出る方法です。もちろん、輪番制と立候補制の両方を取り入れているマンションもあります。
役員は、お住まいのマンション規模によって違いますが、国土交通省が理事については、「なるべく早期に多くの区分所有者が理事会役員を経験することが望ましい。」とされています。
分譲マンション所有者は、出来れば管理組合の活動には関わりたくないと思っている方が多いようですが、マンションに住む限り、無関心で済むことはありません。なぜならば、良い分譲マンションは、管理組合(理事会)の活動が活発で適切だからです。
管理組合(理事会)の構成は、理事長・副理事長・監事・理事という役職で、構成されるのが一般的です。マンションの規模によって、理事会の人数には差がありますが、少なくとも、理事長1名・監事1名・理事1名の計3名が必要です。
なぜならば、理事会の開催条件として、国土交通省が定める「マンション標準管理規約」では、理事の半数以上の出席を条件としているからです。
マンション標準管理規約 理事会の会議及び議事
管理組合(理事会)が開催されないと、適切なマンション管理を行うことは難しいです。マンション内の設備、例えば、給排水管設備が故障してしまった場合、適切な処置を施さないと水道を使うことが出来なくなり、日常生活に支障をきたす恐れがあるからです。
マンションの中には、この管理組合(理事会)が、きちんと機能していないマンションもあると聞きます。1年に1回は、総会を開催が区分所有法で義務付けられているにも関わらずです。無関心さが悲劇を生んだケースです。
理事長の役割とは
管理組合(理事会)では、理事長が理事会を代表します。毎月の会計報告書や業務にかかった支払の書類に目を通して、署名捺印します。管理会社が適切な支出をしているのか、適切な管理を行っているのか目を配る必要があります。
理事会や総会の議事進行をスムーズに進めることも重要な役割を担っているのが理事長です。ですから、マンションの管理組合を円滑に進めるには、理事長の役割が非常に重要と考えています。
特に、大規模マンションでは、理事長の負荷が多いため、副理事長という役職を設けて、理事長を補佐する役割がありますが、一番重要なのは、なんといっても理事長です。
と書くと、理事長は大変だから絶対にやりたくないと思う人が多いかと思いますが、誰かが理事長をする必要がある訳ですから、いやいややるよりは自ら手を挙げる潔さも必要であると思います。
初めて理事長を務める場合は、前年の理事長と良く打ち合わせて、前年までの進行状況や残った課題を聞いて進めることが必要です。場合によっては、慣れるまではオブザーバとして理事会に参加してもらうなどの手もあります。
理事長に報酬した実際例
一般的に、管理組合(理事会)の役員は、無報酬であることが多いです。営利目的として管理組合(理事会)が存在するわけではありませんので、時間的拘束があったとしても、原則無報酬です。ですから、輪番で全員が公平に役員になりましょうというのが一般的です。
これは、役員に報酬を支払うことにした私の実例です。東京都内で購入したマンションは、実は、投資用のマンションなのでした。(「マンション購入の失敗談!東京やってしまった後悔ポイント3<マンション購入 東京都内編>」参照)。
実際にマンションに住んでいる人がいないので、マンションのオーナーは自宅から理事会の度に集まっていました。初めは無報酬であったのですが、やはり理事会の参加に時間的制約がかかり、また理事会を行う会場までの交通費の負担をして頂いておりました。
ですから、報酬という名の交通費兼時給として出席者には支払うように、私が理事長を行った時に決めました。役職と住んでいる場所に応じて、1回数千円でしたが、報酬として支払うことになりました。金額が妥当かどうかは各マンションで決めて頂ければと思います。
あとがき
「マンション管理組合の理事長に報酬は必要か。」と言われれば、報酬は必要だと思います。円滑にマンション管理を進めることが出来るのであれば、安いものであると感じています。報酬を定める場合は、不公平感がないように他の区分所有者の方にも十分に配慮して、報酬のルールを定める必要がありますけどね。投資用マンションと実需マンションの違いもありますけど。
「理事長に報酬なんて。」と言う雰囲気のマンション管理組合は、一年間のお礼と親睦を兼ねたねぎらいの会を開催したり、ちょっとしたお菓子を手渡すのもありですよ。金額の問題ではなくて、あくまで感謝の気持ちを形で表現しましたと言うのがベストなのではないでしょうか。
あるいは、住民が集まる総会の場で、「一年間お疲れ様でした。」と感謝の言葉と拍手だけでもあると違うと思います。日常のマンション生活が行えるのは、管理組合(理事会)あってのことなのですから。
理事長に報酬は必要か
感謝の気持ちを形で表現する。
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