機械式駐車場の仕組みを理解して購入しましょう
マンションに設置されている駐車場の仕組みには、色々とあります。マンション本体にばかり目が行きがちなのですが、駐車場などの共用施設も考慮に入れて、マンション選びをしないと、後で後悔する結果になります。なぜかと言うと後悔の多い共用施設は、「機械式駐車場」なのですから。平面式の駐車場と比較してどのような仕組みとなっているのかご理解頂きたいです。
■ 目次 ■
平面式駐車場と機械式駐車場
平面式駐車場とは
マンションに設置されている駐車場には、様々なタイプが存在します。一番ポピュラーなのが、「平面式駐車場」です。平面を自らの自動車を運転して、駐車するスタイルです。
スーパーマーケットなどの商業施設やコインパーキング、デイズニーランド/ユニバーサルスタジオジャパンなどの娯楽施設などでも設置されているごく一般的な駐車場です。
大型の車を所有している方でも、気軽にストレスなく駐車できるのがメリットです。車の出し入れもスムーズですので、多くの駐車場として採用されている方式です。
体が不自由な方でも、駐車場のスペースを大きくすることで、使いやすい設計をしている場合もあります。
ただ、駐車場の敷地面積に限りがありますので、駐車台数が限られてしまうというのがデメリットです。
このデメリットを解消するために、2階以上の立体的な自走式駐車場を設置する場合もあります。
機械式駐車場とは
限りあるマンションの敷地を有効に利用するために、機械式駐車場を設置することがあります。1住戸1台の駐車場を確保するために、平面式駐車場ではスペースが不足する場合に設置されます。
都市部だったり、駅前に建てられたマンションの場合は、マンションの敷地面積をカバーするために、機械式駐車場を採用する場合があります。
機械式駐車場とは、昇降機とパレットを使って、機械的に車を出し入れする駐車場のことです。規模によって、2段式や3段式、地上階のみを使用する駐車場、地下部まで有効に活用するものまで、様々な形態がとられています。
メリットとしては、省スペースを有効的に活用できる点でしょうか。ただし、メリット以上のデメリットがありますので理解して頂きたいです。
出し入れと車種が制限
機械式駐車場の構造上、機械を動かすわけですから、車を出し入れする時間が必要となります。どの位置に駐車したかにもよりますが、待っていると結構時間がかかります。
ただでさえ車の入出庫に時間がかかるのに、天候の悪い屋外で、車の入出庫を待たざるを得ないのは、多変つらいものです。
自分の車だけが停車しているわけではありませんから、思うように車の出し入れができない場合があるのは覚悟が必要です。
車の大きさも制限されます。機械式駐車場に入れられる車の大きさに制限があるため、キャンピングカーなどの大きな車は諦めざるを得ないケースも出てくるのです。
多額のメンテナンス費用
機械式駐車場は、機械で動かす部分がありますので、長年使用していると部品が摩耗したり、故障といったトラブルが発生します。
摩耗や故障を未然に防ぐための定期的な点検や部品交換も必要となります。機械式駐車場の法定耐用年数は15年から20年と言われていますが、メンテナンス次第では、もっと使用できますが、いずれはメーカーの交換部品がなかったりして使用不可となってしまいます。
当然、大規模修繕工事の対象となりますが、多額のメンテナンス費用が必要となってきます。そのメンテナンス費用は、住民の修繕積立金からの負担となります。
最近は、車に乗る人が減る傾向にあります。機械式駐車場を使用しないので、駐車場収入は減少するが、メンテナンス費用だけは必要となることがあります。
機械式駐車場から平面式駐車場へ
機械式駐車場は、使用する人が減ったことと多額のメンテナンス費用が必要となることから、マンションでは、敬遠されつつある共用施設となってきています。
機械式駐車場を使用する台数削減に伴い、機械式駐車場を撤去して、平面式駐車場に変更するマンションも増えつつあります。現在使用している機械式駐車場を変更するためには、住民の合意と多額の費用が必要になります。
最近は、「平面式駐車場」と「機械式駐車場」を併用して採用するマンションも多いですけどね。
機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針
国土交通省は、「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針」を策定したことが分かりました。それだけ「機械式駐車場」の整備に問題点があるということなのですかねぇ。
「機械式駐車場」をお持ちのマンションにお住まいの管理組合は、「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針」のチェックリストに従って、きちんと保守点検されているか確認することをおすすめします。
おわりに
機械式駐車場の仕組みはご理解頂けましたでしょうか。機械式駐車場には、多額のメンテナンス費用が必要なのです。購入を検討しているマンションの駐車場がどのようなタイプなのかを把握して購入するようにしましょう。
機械式駐車場のマンション購入を否定するわけではありませんが、できれば避けた方が無難です。
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