分譲マンションの消防点検で不在時はどうするのか?
分譲マンションでは、消防法で定められた消防点検が定期的に行われます。しかし、住民が不在の場合はどのようにしたらよいのでしょうか。消防の点検率100パーセントを目指すのが基本ですので、消防点検を行う際には、計画的に行うべきと考えます。不在の部屋を出さないための対策を綴ります。
■ 目次 ■
消防点検とは
「消防設備点検の義務はマンションにも!でも頻度がうざい」に綴ったように、マンションにお住まいの方も、消防設備点検を受ける義務が消防法で定まっています。(消防法第17条)
多くの人が住むマンションでは、ある部屋から火災が発生すると、マンション全体に火災が延焼し、多くの被害者が出る可能性があります。マンションの規模に関わらず、消防設備の点検を行うべきだと思います。
それも形だけの点検なのではなく、きちんとした点検を行わないと消防設備点検の意味がありませんから、点検漏れがないように行わなければなりません。点検率100パーセントを目指すのは当然のことです。
消防点検不在はどうするか
理事長になると、消防設備点検を行った結果が管理会社から報告があります。どの部屋をいつ点検して、点検の結果はどうだったのかが分かります。
ただ理事長に報告があるのは、今回行った消防設備点検の結果ですから、過去の消防設備点検が分かるわけではありません。それを踏まえて、下記のような調整を事前に行うことが消防設備点検率を向上させるポイントになるのではないかと思います。
消防設備点検結果を把握
過去の消防設備点の結果を把握することが第一歩でしょうね。過去の消防設備点検記録を閲覧する場合は、管理会社あるいはフロントの管理人に聞けば分かるのではないでしょうか。
過去の消防設備点検記録で、注目して頂きたいのは、未実施住戸です。たまたま実施していないのか、毎年継続的に未実施となっているのかを確認することが必要です。
未実施住戸に重要性を伝える
消防設備点検が継続的に行っていない住戸に対して、消防設備点検の重要性を伝えてください。消防設備点検の立ち合いが、「面倒だから。」と思っているのかもしれません。頭ごなしに「義務を果たせ。」と伝えても逆効果となります。
やんわりと協力を要請してください。消防設備点検の重要性が理解されていないから立ち会うことがないのかもしれません。
都合のよい日と時間を聞く
次回の消防設備点検を行うために、前もって都合のよい日と時間を聞いておきましょう。土曜日・日曜日がよいのか平日がよいのか、午前中がよいのか午後がよいのかなど都合のよい日と時間を教えてもらいましょう。
消防設備点検日を決める
実際の消防設備点検日を決める場合の考慮すべき点です。
未実施の意見を参考にする
未実施住戸の意見を参考に、消防設備点検日を決めましょう。複数の住戸で未実施となっている場合は、一番都合のよい日で設定しましょう。ベランダに避難梯子が設置してある住戸は、必ず行って頂きたい住戸となります。避難梯子が設置している住戸を優先的に点検日の決定を行うとよいでしょう。
他の行事を配慮する
学校行事や自治体のイベントと重ならない日を選ぶことも必要です。そのためには、アンテナを高くしなければなりません。学校へ行っている親に聞いたり、自治体のホームページを確認することも必要です。他の行事となるべくバッティングしないことです。地域の祭りなどの行事と被らないようにしないといけません。
早めに点検日を伝える
消防設備点検の日程が決まったら、早い段階でマンションの住民に伝えることです。あらかじめ消防設備点検の日程を伝えることで、プライベートの日程も調整ができます。日程だけではなく、どの時間帯で実施するのか目安も伝えてあげてください。
掲示板に貼るだけではなく、案内文書を各住民のポストに個別配布することはもちろん、エレベーター内に掲示することで消防設備点検の日程を伝えます。
日程をただ単に伝えるだけではなく、消防設備点検の意義や行わない場合の危険性をアピールするとよいでしょう。
要望を聞くこと
「点検日は、午後から出掛けて留守にします。」とあらかじめ分かっている場合は、午前中の点検にするなど時間帯の要望を聞いて変更することで、消防設備の点検率をあげるための配慮ができます。
ただし、絶対に変更が可能かどうかは点検業者にもよりますから、「確約はできませんが、努力します。」と伝えないとトラブルの元になってしまうか結局、未実施住戸となってしまう可能性があります。
専有部分の鍵を預かる?
どうしても点検日当日、消防設備点検に立ち会えない場合には、管理人か理事長に鍵を預けることを行っているマンションも中にはあると聞いています。実施率を向上させる手とはなりますが、専有部分に第三者が入ることには抵抗があります。
信頼関係があるから、鍵を渡すのだとは思いますが、万が一、部屋の物がなくなったり壊れたりした場合の責任を考えると、リスクが高い対応方法であると言わざるを得ません。
点検日を固定する!
消防設備点検の業者との兼ね合いがあるので確実性はありませんが、毎年消防設備点検を行う時期を固定してしまうことです。例えば、毎年10月の初旬に行うことを通例にしてしまうのです。そうすることで、来年のプライベートな予定を立てる場合の目安となります。
通常総会などで、消防設備点検の実施予定日を通知することもよいと思います。通常総会では、年間計画の報告がありますので、あらかじめ消防設備点検の月が分かるのですけどね。
おわりに
マンションという共同で生活している場所で行われる「消防設備点検」ですから、点検に協力しましょう。特にベランダに避難梯子が設置している住戸に関しては、協力が必要です。
点検が行われないと異常に早く気が付かないので、いざ使用しようとする場合に使えなかったという悲惨な結果となる場合があります。
大規模マンションにお住まいの場合は、ある程度の時間の融通が利く場合がありますので、事前に管理組合に相談することをおすすめします。
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