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すまいる債のリスクやデメリットを把握して導入を

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将来の大規模修繕工事に備えて、修繕積立金を住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」を検討しているマンションあるいは実際に運用されているマンションも多いと思います。果たして「マンションすまい・る債」は、安全な修繕積立金の運用方法なのでしょうか。リスクとデメリットを把握して導入しましょう。

マンションすまい・る債とは

「マンションすまい・る債」とは、住宅金融公庫が発行している債券の愛称で、正式名称は、「住宅金融公庫住宅宅地債券(マンション修繕コース)」です。

「マンションすまい・る債」は、管理組合の積立金で、利付き10年債を年1回定期的(最高10回)に購入するものです。

募集期間が限られている

2018年すまい・る債

2018年の募集口数は、15万口(1口50万円で、総額750億円)と定められており、受付期間は、2018年4月25日(水)から2018年9月19日(水)までとなっています。

10年満期時の年平均利率は、0.143パーセント(税引後0.1212パーセント)となっており、銀行預金よりもはるかに高い利率となっているのが特徴です。

メガバンク(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行など)の普通預金金利は、0.001パーセントという超低金利となっていますから、利率だけを考えると魅力的な商品です。

「マンションすまい・る債」は預金保険の対象となっていません。しかし、債券を保有しているマンションの管理組合は、住宅金融公庫法により住宅金融公庫の資産から優先的に弁済を受けられる権利を有することが規定され、債権の保全が図られています。

2019年すまい・る債

2019年の募集口数は、15万口(1口50万円で、総額750億円)と定められており、受付期間は、2019年4月24日(水)から2019年9月19日(木)までとなっています。

10年満期時の年平均利率は、0.102パーセント(税引後0.0865パーセント)です。

2020年すまい・る債

2020年の募集口数は、15万口(1口50万円で、総額750億円)と定められており、受付期間は、2020年4月24日(金)から2020年9月18日(金)までとなっています。

10年満期時の年平均利率は、0.080パーセント(税引後0.0678パーセント)です。

2021年すまい・る債

2021年の募集口数は、15万口(1口50万円で、総額750億円)と定められており、受付期間は、2021年4月19日(月)から2021年10月15日(金)までとなっています。

10年満期時の年平均利率は、0.120パーセント(税引前)です。

募集要件は4つ

「マンションすまい・る債」の募集要件を以下に記します。と言っても特別難しい要件なのではなく、普通のマンションであれば、全ての要件を簡単に満たすと思います。ただし、以下の募集要件が定められています。

要件1:修繕工事を行う前提

共用部分の修繕工事を行うことを予定しているマンションの管理組合が対象です。修繕積立金を集めている性質上、それ以外の用途に使わないと思いますが。

要件2:管理規約が定められている

管理規約の定めがあることが前提です。管理規約の定めのないマンションを探す方が難しい気がしますけど。管理会社に委託しているマンションは大丈夫だと思います。自主管理を行っているマンションは、ご確認ください。

要件3:長修計画が20年以上である

長期修繕計画の計画期間が、20年以上であることが前提です。20年未満の長期修繕計画を見たことはありませんけどね。20年以上に渡って修繕計画が定められていることが要件です。あくまで修繕計画であって、計画通りに修繕が行われているのかは問いていません。

個人的には、当初立てられた長期修繕計画は、随時見直すことが重要だと思います。建物の劣化状況によっては、計画していた修繕を早めたり、遅らせたりと対応が必要なのだからです。

要件4:反社会的勢力ではない

反社会的勢力と関係がないマンションであることが前提となります。反社会的勢力のマンションも見たことがありませんが。

マンションすまい・る債に反対

預金保険の対象となっていないことから、マンションによっては、「すまい・る債」に、修繕積立金を預けることに反対の管理組合もあるようです。

住民の皆さんからお預かりした大切な修繕積立金ですから、その運用方法は慎重に選ぶべきなのは分かりますが、「すまい・る債」の導入を反対した場合の代替案はお持ちなのでしょうか。

銀行の普通預金や定期預金に預けておけば、確実な安心は得られますが、運用面から考えるといまいちなのではないでしょうか。

修繕積立金の全てを「すまい・る債」に預けるまたは、全てを「銀行預金」に預けるという極端なのではなく、メリットとデメリットの双方を考えて、リスク分散という意味からも、両方で運用すべきと思います。

時々、修繕積立金の一部を「株式投資」や「ビットコイン」で運用してはどうかという話が出る理事会があります。しかし、不確実な「株式投資」や「ビットコイン」での運用は行わない方が賢明なのは当然です。

通常総会で残高の確認を

「すまい・る債」の運用に限らず、修繕積立金の運用先と残高を住民の皆さんが把握/確認できることが重要です。

理事長や監事だけで確認または理事会だけで確認するのは非常に危険です。住民の皆さんに分かるように通常総会の議案書に「すまい・る債」や「銀行口座」の残高証明書を取り寄せて添付することが肝要です。

マンションでは、誰から見ても、透明で納得できる修繕積立金の運営が求められます。

おわりに

すまいる債は安全なのでしょうか。実際に反対されたマンションがあるのを知っています。修繕積立金の運用は、全てを同一箇所で行わないで、リスク分散を考慮に入れて、分割運用することをおすすめします。

すまいる債は安全なのか

すまいる債だけに頼らず運用すること。
運用の透明性は重要です。
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この記事を書いた人

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独身でマンションを購入し、売却を経験した管理人です。失敗や後悔をすることがないように経験から得られた知識を発信することでマンション購入のお役立ちとなるように願っています。「マンションは管理を買え!」と言われるように、購入して後悔のないように願うばかりです。理事長や副理事長の経験もあり、管理委託費の削減も行いました。

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独身でマンションを購入し、売却を経験した管理人です。失敗や後悔をすることがないように経験から得られた知識を発信することでマンション購入のお役立ちとなるように願っています。「マンションは管理を買え!」と言われるように、購入して後悔のないように願うばかりです。理事長や副理事長の経験もあり、管理委託費の削減も行いました。


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