収納口座と保管口座、財産の分別管理イロハの違いは?
マンションの管理組合の口座には、管理費や修繕積立金などが金融機関の口座に入金されます。その入金される口座が収納口座と保管口座に分けられているのです。マンションの分別管理にイロハと3種類あるのです。家庭で言う家計費と貯蓄と言えば分かりやすいでしょうか。聞き慣れない言葉に対して難しく感じてしまいますが、「財産の分別管理」知れば簡単なのでした。
■ 目次 ■
収納口座と保管口座とは
「収納口座」と「保管口座」、聞き慣れない言葉なのですが、実は、皆さんに配布されているお手元の資料にも書かれている言葉なのです。逆にこの言葉が書かれている資料がないというのは大問題なのです。
では、書かれている資料とは何でしょうか。管理会社と契約を結ぶ「マンション管理委託契約書」に登場するのが、「収納口座」と「保管口座」という言葉です。事務管理業務の基幹事務の出納に出てきます。
管理費や修繕積立金、駐車場や専用庭などの使用料は、「収納口座」に入金されるのかを明らかに示しています。また、管理委託費や経費を差し引いた残りの金額を「保管口座」に振り替える口座を表しています。
ご家庭で言うならば、「収納口座」が、給料やボーナスが入ってくる口座で、この口座の中から買い物や公共料金の支払いなど普段必要な経費を支払います。そして、ある程度の残高が残ったら、定期預金などの口座に振り替えます。その口座を「保管口座」と呼んでいるのです。
財産の分別管理イロハとは
国土交通省の「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」第87条(財産の分別管理)に記載されているのが、財産の分別管理イロハです。
財産の分別管理イとは
財産の分別管理イとは、「収納口座」に管理費と修繕積立金を一括して徴収します。ここから、毎月の管理委託費や経費を管理会社が差し引いて、残りを保管口座に移し替える管理方式です。
財産の分別管理ロとは
財産の分別管理ロとは、管理費と修繕積立金を初めから分けて徴収する方法です。つまり、収納口座に管理費を徴収し、保管口座に修繕積立金を徴収します。保管口座は銀行の普通預金口座でも定期預金口座でも構いません。
財産の分別管理ハとは
財産の分別管理ハとは、収納保管口座の1つで管理費も修繕積立金も管理するという方式です。つまり、管理組合は銀行口座を1つしか持たないことになります。これはたいてい銀行の普通預金口座になります。
財産の分別管理を確認
あなたの住むマンションでは、財産の分別管理はどうなっているのでしょうか。「マンション管理委託契約書」を見て、再度確認して頂きたいと思います。多くのマンションでは、「財産の分別管理イ」が採用されていることが多いようです。
おわりに
「財産の分別管理イロハ」は分かりましたでしょうか。物事の初歩や基本を意味する「イロハ」なのかと勘違いされやすいですが、イロハという表現はなんとなくお役所仕事だなぁと思ってしまいます。
マンションの管理組合が気にしなければならないのは、実際の口座残高と住民が支払った金額、管理委託費や経費などを差し引いた残高が一致するのかということです。
そのために監事というポストが立てられていて、監査が行われるのですが、通常総会直前に管理会社から渡される報告書類に目を通して、サインと印鑑を押して、通常総会で「相違ありませんでした。」と発言すれば終わってしまいます。
しかし、不正を早期に発見するためには、3ヵ月に1回などと定期的な監査をして頂けるとありがたいのですが、通常は、理事長に報告して終わりという管理組合が多いのではないでしょうか。
収納口座と保管口座、財産の分別管理イロハの違いは?
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