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マンション管理会社の行政指導とは?監督処分の種類・違反事例・処分歴の確認方法を解説

目安時間 33分
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「今の管理会社は過去に問題を起こしていないだろうか」
「管理費や修繕積立金を安心して任せられる会社なのか」

管理組合役員になると、このような不安を感じることがあります。

マンション管理会社は、管理費や修繕積立金など大切な財産を管理する重要なパートナーです。

しかし、法令違反や不適切な管理業務が発覚した場合、国土交通大臣による「マンション管理業 監督処分」の対象になることがあります。

監督処分には、指示処分・業務停止処分・登録取消処分があり、違反内容によって管理会社への影響は大きく異なります。

マンション管理組合の理事長や修繕委員として、 管理会社との契約や管理業務を実際に経験しています。

マンション管理会社が行政処分を受ける理由とは?監督処分の種類(指示処分・業務停止・登録取消)、過去の違反事例、国土交通省で処分歴を確認する方法、管理組合が確認すべきポイントを解説します。

~ この記事で分かること ~

  • 監督処分の種類と内容
  • 処分対象となる違反事例
  • 最新制度の改正ポイント
  • 処分業者の確認方法
  • 管理組合が確認すべき点

■ 目次 ■

マンション管理会社が行政処分を受ける理由とは

「マンション管理会社が監督処分を受けた」というニュースを見て、不安になったことはありませんか。

マンション管理業者は、マンション管理適正化法に基づき国土交通大臣の登録を受けて営業しています。

そのため、法令違反や重大な不正があった場合には、行政による監督処分の対象になります。

令和8年4月には法改正に伴い、監督処分の基準も見直され、管理会社にはこれまで以上にコンプライアンスが求められるようになりました。

この記事では、マンション管理業の監督処分の種類や確認方法、管理組合が注意すべきポイントを解説します。

マンション管理業の監督処分とは

マンション管理業の監督処分とは、マンション管理会社に対して国土交通大臣が行う行政処分です。

処分は利用者保護とマンション管理の適正化を目的としており、違反内容に応じて段階的に実施されます。

監督処分の目的

  • 区分所有者の利益を守る
  • マンション管理業界の信頼を維持する
  • 法令違反を未然に防止する
  • 管理会社のコンプライアンス向上を促す

監督処分の種類

処分内容 概要
指示処分 業務改善や再発防止を命じる行政処分
業務停止処分 一定期間、マンション管理業務を停止させる処分
登録取消処分 マンション管理業の登録を取り消す最も重い処分

違反内容が重大になるほど重い処分となります。

どのような違反で監督処分になるのか

代表的な違反例は次のとおりです。

  • 管理組合の財産管理に関する法令違反
  • 管理業務主任者に関する違反
  • 重要事項説明義務違反
  • 契約書の不備
  • 財産の分別管理違反
  • 虚偽報告
  • 立入検査への非協力
  • 改善命令に従わない行為

令和8年4月施行の制度では、「管理者受託契約」「利益相反のおそれがある取引の事前説明」「財産の分別管理」などについて新たなルールが整備され、それに合わせて監督処分基準も改正されました。

令和8年改正で変わったポイント

令和7年のマンション関係法改正を受け、令和8年4月から新制度が施行されています。

主な改正内容は次のとおりです。

  • 管理者受託契約に関するルール整備
  • 利益相反取引の事前説明義務
  • 財産の分別管理の強化
  • 監督処分基準の見直し
  • コンプライアンス体制の強化

これらは管理組合のお金や契約の透明性を高めることを目的としています。

管理会社が監督処分を受けた場合、マンションはどうなる?

  • 管理委託契約は継続できる場合が多い
  • 管理業務が突然停止するとは限らない
  • 処分内容によって対応を検討する必要がある
  • 理事会で改善状況を確認する

管理会社の処分歴を確認する方法

国土交通省では、監督処分を受けたマンション管理業者を公表しています。

それが、「管理会社の監督処分」の情報です。その名も「国土交通省ネガティブ情報等検索システム」というホームページになります。

https://www.mlit.go.jp/nega-inf/cgi-bin/search.cgi?jigyoubunya=mansyon

また、行政処分情報はネガティブ情報等検索サイトでも検索できます。掲載期間は原則5年間です。

  • 会社名
  • 処分年月日
  • 処分内容
  • 処分理由
  • 改善措置(掲載される場合あり)

管理会社を選ぶ際は、一度確認しておくと安心です。

マンション管理業 監督処分一覧

国土交通省では、マンション管理適正化法に違反した管理業者について、監督処分情報を公表しています。

過去には、管理組合財産の着服、重要事項説明義務違反、財産管理上の不備などを理由として、多くの管理会社が行政処分を受けています。

以下では、近年の主な監督処分事例を紹介します。

2026年

株式会社ビケンテクノ

2026年4月21日に監督処分を受けた株式会社ビケンテクノ(大阪府吹田市)は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第82条で、2026年5月19日から2026年9月15日までの120日間の業務停止となりました。

処分の理由は、以下のように複数あります。

1)複数のマンション管理組合の財産を、被処分者の元従業員が着服したことにより毀損させ、当該管理組合に損害を与えた。
2)専任の管理業務主任者が不足する状態となった後、2週間以内に必要な措置を講じなかった。
3)複数の管理組合において、従前の管理受託契約と同一条件による契約更新に際し、重要事項説明書に事実と異なる記載をし、管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対して重要事項説明書を交付しなかった。また、管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項説明書を交付して説明をさせなかった。

株式会社メンテナンス

2026年3月18日に監督処分を受けた株式会社メンテナンス(愛知県春日井市)は、被処分者が管理を受託している複数のマンションの管理組合において、収納・保管口座である管理組合の預金口座の印鑑を保管していました。

株式会社エイディーノウビ

2026年3月18日に監督処分を受けた株式会社エイディーノウビ(愛知県刈谷市)は、従前の管理受託契約と同一条件で契約を更新する前に、区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付していませんでした。

2025年

リアリティマネージメント株式会社

2025年10月17日に監督処分を受けたリアリティマネージメント株式会社(福岡県福岡市)は、専任の管理業務主任者であった者について、ITの活用による適切な業務ができる体制が確保されていないテレワークを行っており、常勤性が確保されていなかった。従前の管理受託契約と同一の条件で契約を更新しようとするときに、管理者等に対し管理業務主任者をして、重要事項説明を記載した書面を交付して説明させていなかったもの。

商船三井興産株式会社

2025年9月9日に監督処分を受けた商船三井興産株式会社(東京都中央区)は、管理組合の財産を、被処分者の元従業員が着服したことにより毀損させ、管理組合に損害を与えたもの。

2024年

株式会社長谷工コミュニティ

2024年8月20日に監督処分を受けた株式会社長谷工コミュニティ(東京都港区)は、管理組合の財産を、被処分者の元従業員による着服により毀損し、管理組合に損害を与えたもの。

株式会社ダックス

2024年3月27日に監督処分を受けた株式会社ダックス(福岡県福岡市)は、管理組合の財産を、被処分者の元従業員による着服により毀損し、管理組合に損害を与えたもの。

日本ハウズイング株式会社

2024年3月22日に監督処分を受けた日本ハウズイング株式会社(東京都新宿区)は、被処分者が管理事務を受託している複数の管理組合において、管理組合財産を、被処分者の元従業員が窃取により毀損し、当該管理組合に損害を与えた。

株式会社ダックス

2024年3月27日に監督処分を受けた株式会社ダックス(福岡県福岡市)は、被処分者が管理事務を受託している複数の管理組合において、管理組合財産を、被処分者の元従業員が窃取により毀損し、当該管理組合に損害を与えた。

2023年

関電コミュニティ株式会社

2023年8月29日に監督処分を受けた関電コミュニティ株式会社(大阪府大阪市)は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第81条により監督処分を受けています。

契約の締結に先立ち必要な重要事項についての説明会を開催しなかったことや説明会の日の1週間前までに、管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対して重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなかったものです。

株式会社菱サ・ビルウェア

2023年6月26日に監督処分を受けた株式会社菱サ・ビルウェア(東京都豊島区)は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第81条により監督処分を受けています。

朝日ハウズィング株式会社

2023年3月23日に監督処分を受けた朝日ハウズィング株式会社(宮城県仙台市)は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第81条により監督処分を受けています。

2022年

株式会社東急コミュニティー

2022年11月22日に監督処分を受けた株式会社東急コミュニティー(東京都世田谷区)は、管理組合の財産を元従業員等による着服により毀損し、当該管理組合に損害を与えたものである。

伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社

2022年11月9日に監督処分を受けた伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社(東京都中央区)は、複数の管理組合の財産を元従業員等による着服により毀損し、当該管理組合に損害を与えたものである。収入及び支出の状況に関する書面に事実と異なる記載をして管理組合の管理者等に交付したものである。

信和建設株式会社

2022年6月6日に監督処分を受けた信和建設株式会社(大阪府中央区)は、複数の管理組合で重要事項説明会の日の1週間前までに、説明会の開催の日時及び場所の掲示をしなかった。管理受託契約の更新契約締結前に、管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなかった。

2022年4年6月20日から2022年9月17日までの90日間、業務停止処分を受けています。

三菱地所コミュニティ株式会社

2022年4月27日に監督処分を受けた三菱地所コミュニティ株式会社(東京都千代田区)は、マンションの管理組合の財産を、被処分者の元従業員による着服により毀損し、当該管理組合に損害を与えたものです。

日本総合住生活株式会社

2022年3月30日に監督処分を受けた日本総合住生活株式会社(東京都千代田区)は、管理組合財産を元従業員による着服により毀損し、当該管理組合に損害を与えたものである。

2021年

日本ハウズイング株式会社

2021年12月24日に監督処分を受けた日本ハウズイング株式会社(東京都新宿区)は、管理組合財産を元従業員による着服により毀損し、当該管理組合に損害を与えたものである。管理組合財産を元従業員による着服により毀損し、当該管理組合に損害を与えたものである。

株式会社日鉄コミュニティ

2021年9月6日に監督処分を受けた株式会社日鉄コミュニティ(東京都千代田区)は、

株式会社トラストコミュニティ

2021年4月23日に監督処分を受けた株式会社トラストコミュニティ(山口県下関市)は、管理事務を受託していた管理組合において、管理組合財産を元従業員が不正に着服し、管理組合に損害を与えたものです。

株式会社フージャースリビングサービス

2021年2月15日に監督処分を受けた株式会社フージャースリビングサービス(東京都中央区)は、複数の管理組合において、管理組合財産を、被処分者の元従業員による着服等により毀損し、当該管理組合に損害を与えたものです。

2020年

株式会社東京建物アメニティサポート

2020年8月24日に監督処分を受けた穴吹コミュニティ(東京都中央区)は、元従業員が、複数のマンション管理組合の財産を不正に着服し、また、マンション管理組合の財産に損害を与えるおそれが大である行為を行ったものです。

積和管理関西株式会社

2020年6月3日に監督処分を受けた積和管理関西株式会社(兵庫県神戸市)は、元社員が管理組合の管理費金銭を着服したことが発覚。事実と異なる記載をして、管理組合の管理者等に交付したものです。

穴吹コミュニティ

2020年3月27日に監督処分を受けた穴吹コミュニティ(香川県高松市)は、元社員が管理組合の管理費金銭を着服したことが発覚。管理組合の収入及び支出の状況に関して、作成した管理事務報告書に事実と異なる記載をし、事実と異なる報告をさせたものです。

積和管理関西株式会社

2020年6月3日に監督処分を受けた積和管理関西株式会社(兵庫県神戸市)は、管理会社及び管理組合が把握しない未管理口座が何者かによって開設して、未管理口座への入金した管理会社の元社員2名が関わっていたことが発覚したものです。

株式会社矢作建物管理

2020年3月19日に監督処分を受けた株式会社矢作建物管理(愛知県岡崎市)は、複数の管理組合において、管理事務報告への事実と異なる記載を行った。会計の収入及び支出の状況に関する書面を交付しなかったものです。

東武ビルマネジメント株式会社

2020年2月28日に監督処分を受けた東武ビルマネジメント株式会社(東京都墨田区)は、管理組合財産を元従業員が不正に着服したものです。

リストコンストラクション株式会社

2020年2月27日に監督処分を受けたリストコンストラクション株式会社(神奈川県横浜市)は、管理組合から徴収された修繕積立金等金銭から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換えなかったことによる処分です。

コミュニティワン株式会社

2020年2月6日に監督処分を受けたコミュニティワン株式会社(東京都世田谷区)は、管理組合の財産を複数の元従業員又は再委託先の従業員が不正に着服したものでした。

2018年7月13日にも、監督処分を受けています。

株式会社カシワバラ・デイズ

2020年1月16日に監督処分を受けた株式会社カシワバラ・デイズ(大阪府大阪市)は、管理組合の支払経費を着服したことにより、複数の管理組合に対して損害を与えたものでした。

2019年

互光建物管理株式会社

2019年11月21日に監督処分を受けた互光建物管理株式会社(大阪府大阪市)は、元社員が管理組合の管理費及び修繕積立金等金銭を着服したことにより、管理組合の財産に損害を与えたものでした。

会計の収入及び支出の状況に関する書面に、事実と異なる記載をして、管理組合の管理者等に交付したものでした。

株式会社東北パートナーズコミュニティ

2019年11月1日に監督処分を受けた株式会社東北パートナーズコミュニティ(宮城県仙台市)は、複数の管理組合との管理事務において、区分所有者から徴収する一月分の修繕積立金等金銭の合計額以上の額につき有効な保証契約を締結していなければならないところ、しなかったというものでした。

一管理組合の修繕積立金等金銭の管理において、当該管理組合の保管口座に係る印鑑を保管していたものでした。

中部互光株式会社

2019年9月13日に監督処分を受けた中部互光株式会社(愛知県名古屋市)は、複数の管理組合において、
①従前の管理受託契約と同一条件でない管理受託契約の更新をする際に、管理組合の管理者に対し重要事項説明書の交付をしなかった。
②区分所有者への重要事項説明書の交付をしなかった。
③会計の収入及び支出の状況に関する書面を交付しなかった。
④管理事務報告への事実と異なる記載を行った。
⑤管理業務主任者が管理組合財産を不正に支出し、管理組合に損害を与えた。
⑥管理組合を名義人とする保管口座の通帳及び印鑑を同時に保管していた。
という複数の理由で処分を受けています。

管理会社として定められた管理業務を怠り、杜撰(ずさん)な管理を行っていたことが浮き彫りになった結果です。

グローブシップ株式会社

2019年7月8日に監督処分を受けたグローブシップ株式会社(東京都港区)は、複数の管理組合において、管理組合財産を、被処分者の元従業員が不正に着服し、管理組合に損害を与えたというものでした。

管理事務報告書に事実と異なる記載を行ったのは、管理組合の財産を着服した事実と異なる報告書を行っていたのだろう。

東和警備保障株式会社

2019年5月28日に監督処分を受けた東和警備保障株式会社(東京都新宿区)は、複数の管理組合において、管理組合財産を、被処分者の元従業員2名及び従業員1名が不正に着服し、管理組合に損害を与えたというものでした。

株式会社ファビルス

2019年5月17日に監督処分を受けた株式会社ファビルス(福岡県福岡市)は、複数の管理組合との管理受託契約にかかる管理業務において、当該管理組合の対象月における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成しなかったというものでした。

西鉄不動産株式会社

2019年5月17日に監督処分を受けた西鉄不動産株式会社(福岡県福岡市)は、複数の管理組合との管理受託契約において、従前の契約と同一の条件で管理受託契約を更新しようとする際、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の一部の者に対し、重要事項を記載した書面を交付しなかったというものでした。

株式会社日鉄コミュニティ

2019年4月15日に監督処分を受けた株式会社日鉄コミュニティ(東京都千代田区)は、受託している複数の管理組合において、管理組合財産を、被処分者の元従業員が不正に着服して、管理組合に損害を与えたというものでした。

2018年

株式会社大京アステージ

2018年12月26日に監督処分を受けた株式会社大京アステージ(東京都渋谷区)は、受託している複数の管理組合を名義人とする保管口座に係る印鑑を保管していた。複数の管理組合に係る管理業務において、被処分業者の元従業員が管理組合財産を不正に支出し、管理組合に損害を与えたというものでした。

2018年12月26日に監督処分を受けた株式会社大京アステージも、管理費の横領が行われていたことが分かりました。過去にも起きている横領事件、なぜ続くのでしょうか。事前に防ぐことはできなかったのか不思議に思います。

有限会社三和ホーム

2018年12月25日に監督処分を受けた有限会社三和ホーム(石川県金沢市)は、管理組合との管理受託契約において、契約の更新(同一条件)をする前に、当該管理組合を構成する区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付していなかったというものでした。

株式会社西日本ビル代行

2018年10月2日に監督処分を受けた株式会社西日本ビル代行(福岡県福岡市)は、複数の管理組合との管理委託契約にかかる管理業務において、収納口座の印鑑を保管していたにも関わらず、保証契約を締結しなかったというものでした。

コミュニティワン株式会社

2018年7月13日に監督処分を受けたコミュニティワン株式会社(東京都品川区)は、受託している複数の管理組合において、管理組合の財産を、被処分者の元従業員が不正に着服し、管理組合に損害を与えたというものでした。

大林ファシリティーズ株式会社

2018年3月16日に監督処分を受けた大林ファシリティーズ株式会社(東京都千代田区)は、(1)保管口座に係る管理組合の印鑑を管理したというもの。(2)従前の契約と同一の条件で管理受託契約を更新する際に、あらかじめ、管理組合を構成する区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなかったというものでした。

星光ビル管理株式会社

2018年2月26日に監督処分を受けた星光ビル管理株式会社(大阪府大阪市)は、複数の管理組合について、被処分者の従業員(当時)が管理組合の財産を不正に着服したことにより、被処分者は、業務に関し、当該管理組合に損害を与えたというものでした。

2017年

クラシテ株式会社

2017年12月5日に監督処分を受けたクラシテ株式会社(東京都新宿区)は、複数の管理組合において、管理組合財産を、被処分者の元従業員が不正に着服し、管理組合に損害を与えたというものでした。

株式会社ティエスコミュニティー

2017年10月20日に監督処分を受けた株式会社ティエスコミュニティー(東京都千代田区)は、(1)従前の管理受託契約と同一の条件で管理受託契約を更新する際に、管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項説明書を交付して説明させなかった。(2)元管理業務主任者が管理組合財産を着服することにより、組合財産に損害を与えたというものでした。

株式会社第一不動産

2017年4月19日に監督処分を受けた株式会社第一不動産(静岡県静岡市)は、(1)管理組合を名義人とする収納・保管口座の通帳及び印鑑を同時に保管していた。(2)従前の管理受託契約と同一の条件で管理受託契約の更新をする前に当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面の交付がされていなかったというものでした。

香川県労住協住宅サービス株式会社

2017年3月15日に監督処分を受けた香川県労住協住宅サービス株式会社(香川県高松市)は、専任の管理業務主任者の退任に伴う登録事項の変更があったにもかかわらず、その日から30日以内に、その旨を届け出なかったものでした。

住友不動産建物サービス株式会社

2017年3月10日に監督処分を受けた住友不動産建物サービス株式会社(東京都新宿区)は、同社の元フロント社員が担当していた管理組合において管理組合財産を着服することにより、管理組合の財産に損害を与えたものでした。

西新サービス株式会社

2017年2月16日に監督処分を受けた西新サービス株式会社(東京都足立区)は、(1)被処分者が管理業務を受託している複数の管理組合において、被処分者の元社員が管理組合財産を不正に着服し、当該管理組合に損害を与えた。(2)複数の管理組合において、事実と異なる管理事務の報告を行ったものでした。

株式会社ユメックス

2017年1月11日に監督処分を受けた株式会社ユメックス(佐賀県佐賀市)は、被処分者が管理業務を受託している複数の管理組合において、管理組合名義の保管口座の印鑑を保管していたものでした。

2016年

株式会社不二ビルサービス

2016年10月14日に監督処分を受けた株式会社不二ビルサービス(東京都千代田区)は、被処分者が宮城県内で受託したマンション管理業務において、被処分者の元従業員が管理組合の財産を着服し、管理組合に損害を与えたものでした。

監督処分の分析結果

国土交通省(国交省)の監督処分理由を見ると明らかですが、管理組合の財産を不正に着服したという理由で、管理会社が監督処分を受けた事例が非常に多いことが分かります。

管理組合は、毎年監事のチェックを受けた上で、理事会に報告を受けたのち通常総会での住民への報告が行われるはずなのですが、管理組合の財産を着服するというケースが後を絶ちません。着服の具体的な方法や金額は不明ですが、いつかは不正が明るみになるというのに着服の理由で監督処分なのが多いですね。

このことから、管理組合として最も気をつけるべきことは、管理組合の財産を守るということです。そのために、印鑑と通帳を管理組合と管理会社は、各々別々に保管しているはずなのですけどね。

マンション管理業 監督処分で多い違反内容

過去の監督処分事例を見ると、特に多いのが管理組合財産に関する問題です。

代表的なものとして、

  • 管理費や修繕積立金の着服
  • 管理組合口座の印鑑管理違反
  • 会計報告書への虚偽記載
  • 重要事項説明義務違反

があります。

特に管理組合財産の管理については、理事会や監事による確認体制が重要になります。

管理組合が確認すべきポイント

管理会社が監督処分を受けたからといって、直ちに契約解除が必要になるわけではありません。

まずは処分内容を確認し、管理組合として冷静に判断することが重要です。

確認したいポイントは次のとおりです。

  • 処分の種類
  • 違反内容
  • 改善措置の実施状況
  • 再発防止策
  • 現在の管理体制

軽微な指示処分と、登録取消処分では影響が大きく異なります。

管理会社の横領・着服を防ぐために管理組合ができること

マンション管理会社による横領や着服事件は、決して珍しいものではありません。

過去の監督処分事例を見ると、管理会社の元従業員などが管理費や修繕積立金などの管理組合財産を不正に流用し、行政処分につながったケースが数多くあります。

ただし、横領や着服は「個人の悪意」だけが原因ではありません。

管理組合側のチェック体制が十分でなかった場合、不正が長期間発見されないことがあります。

管理組合では、以下のような仕組みを整えることで、大切な財産を守ることができます。

①通帳と印鑑を別々に管理する

管理組合財産を守る基本は、預金通帳と銀行印を同じ人・同じ場所で管理しないことです。

マンション管理適正化法では、管理組合財産について適切な分別管理が求められています。

例えば、

  • 管理組合名義の通帳は管理組合側が保管する
  • 銀行印は理事長など別の者が管理する
  • 管理会社だけで出金できない仕組みにする

ことが重要です。

通帳と印鑑を同時に管理会社が保管すると、不正な出金リスクが高まります。

過去の監督処分でも、管理組合名義の口座印鑑を管理会社が保管していたことが問題となった事例があります。

②残高証明書を定期的に確認する

管理組合では、毎月の会計報告だけでなく、銀行が発行する残高証明書を確認することが大切です。

理由は、管理会社が作成した会計資料だけでは、実際の預金残高との照合ができないためです。

確認ポイントは、

  • 管理費口座の残高
  • 修繕積立金口座の残高
  • 会計報告書との一致
  • 不明な入出金がないか

です。

特に大規模修繕工事前後は、多額のお金が動くため、残高確認を強化することが重要です。

③管理事務報告書を確認する

管理会社は、管理組合に対して定期的に管理事務報告を行う義務があります。

しかし、報告書を見るだけでは不十分です。

理事会では、

  • 収入と支出の内容
  • 未収金の状況
  • 修繕費用の支払い状況
  • 管理会社への支払内容

を確認しましょう。

「毎月提出されているから大丈夫」ではなく、数字の変化を見ることが重要です。

④監事による会計監査を形式的に終わらせない

管理組合の監事は、単に総会前に書類へ印鑑を押す役割ではありません。

監事には、

  • 会計処理が適正か確認する
  • 管理費等の使途を確認する
  • 不自然な支出がないか確認する

役割があります。

特に以下のような場合は注意が必要です。

  • 毎年同じ金額の支出が続いている
  • 領収書や契約書が確認できない
  • 修繕工事費が不透明

監事によるチェック機能を十分に働かせることが、不正防止につながります。

⑤理事長だけに管理を任せない

管理組合では、理事長が管理会社との窓口になるケースが多くあります。

しかし、重要な判断や財産管理を一人に集中させることはリスクがあります。

例えば、

  • 理事会で会計報告を共有する
  • 複数の役員が口座状況を確認する
  • 重要な支払いは理事会で承認する

など、複数人で確認する体制が有効です。

⑥大きなお金が動く時は特に注意する

横領や不正が発生しやすいタイミングとして、

  • 大規模修繕工事
  • 保険金の入金
  • 設備更新工事
  • 管理会社変更時

などがあります。

数百万円から数千万円単位のお金が動く場合は、

  • 見積書の確認
  • 契約内容の確認
  • 支払先の確認
  • 工事完了確認

を理事会で行うことが重要です。

⑦管理会社を定期的に評価する

管理会社に任せきりにするのではなく、定期的に業務品質を確認しましょう。

確認項目としては、

確認項目 内容
会計管理 報告内容や残高確認が適切か
対応力 問い合わせへの対応速度
透明性 工事や契約内容の説明があるか
法令遵守 重要事項説明などを適切に実施しているか

があります。

⑧管理組合の財産を守るには「チェック体制」が重要

管理会社による横領や着服事件は、個人の不正が原因で発生することがあります。

しかし、不正を長期間発見できない背景には、管理組合側の確認不足がある場合もあります。

管理費や修繕積立金は、区分所有者全員の大切な財産です。

「管理会社を信用する」だけではなく、

  • 通帳と印鑑の分離管理
  • 会計報告の確認
  • 監事による監査
  • 理事会での情報共有

といった仕組みで守ることが重要です。

まとめ

マンション管理業者への監督処分は、区分所有者の財産を守るための重要な制度です。

管理会社選びでは、価格だけではなく、法令遵守やコンプライアンス体制も確認することが大切です。

万が一、管理会社が監督処分を受けていた場合でも、処分内容や改善状況を確認し、管理組合として適切な判断を行いましょう。

なお、最新の監督処分情報は国土交通省が随時公表していますので、契約更新時や管理会社変更を検討する際には確認することをおすすめします。

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独身でマンションを購入し、売却を経験した管理人です。失敗や後悔をすることがないように経験から得られた知識を発信することでマンション購入のお役立ちとなるように願っています。「マンションは管理を買え!」と言われるように、購入して後悔のないように願うばかりです。理事長や副理事長・大規模修繕委員の経験もあり、管理委託費の削減も行いました。

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