理事会が長いのでスムーズに進めるため工夫した経験
よいマンション管理を行う上で重要なのが、「理事会」なのですが、理事会の開催時間が長いのが玉に瑕(たまにきず)。なんとか理事会開催時間を短縮してスムーズに進められないかと理事長の時に思考錯誤して工夫したことを綴ります。全てのマンションの理事会で有効であるとは限りませんが、「理事会が長い!」と嘆いている管理組合の皆さん、参考にして頂けると幸いです。
■ 目次 ■
理事会が長いのはよいことなのか
マンションにとって、理事会の運営そのものが、健全なマンションの舵を握っていると言って過言ではありません。
皆さんのマンション理事会は、1回あたりどのくらいの時間を要しているのでしょうか。2時間程度の理事会だったら、「短い!」という感覚なのでしょうか。
理事会が全く開かれていないマンションは、論外なのですが、理事会の開催時間が長いというのはよいことなのだろうかと思ってしまいます。
理事長が独断で物事を進めたり、管理会社の言いなりの理事会も問題ですが、ダラダラと無駄に長い理事会は、集中して討議することができないのではないでしょうか。
これは、会社での会議でも同じことが言えるかもしれませんね。時間は、誰でもが有限であるため効率のよい理事会の進行は誰もが望むことなのではないでしょうか。
せっかくの休みを潰して理事会に参加してくださる理事の方のためにも、理事会をスムーズに進めるのは理事長の役割だと思っています。
理事会の開催時間が短いと言うことは、理事だけではなく、管理会社の負担軽減にもつながるのではないでしょうか。
理事会が長かった理由は
従来の理事会は、理事会の時間が長い割には、議案が決定せずに次に先送りということが多くありました。これでは、せっかく集まった理事の方に申し訳がありませんでした。
さらに、理事会を開催する部屋は、9時30分から12時まで予約してあったにも関わらず、12時を超えても理事会が終了しないので、次に使う人がスムーズに使えないという有様で、迷惑を掛けていました。
理事会の進行役は理事長ですから、理事長でなかった時は、実は理事会の進行については言えないでヤキモキしていたのでした。
「理事会が長いなぁ。」と感じているのは、ひょっとして私のマンションだけの話なのでしょうか。他のマンションの理事会は、もっとスムーズに進めているのでしょうか。
理由1:議事内容が当日知らされる
理事長含め、理事会で話し合われる内容が、理事会当日の配布資料で初めて知らされていました。理事会の開催時間内に、討議内容を把握して、その場で管理組合として結論を出していました。
簡単で誰もが納得できる事案であればよいのですが、マンション住民に影響を及ぼしたり検討を重ねないと結論が出せない議案も中にはありました。
あらかじめ話し合われる議案が分かっていれば、事前に該当する管理規約を読んだり、あるいはインターネットで事例を調査したりという準備ができてスムーズな結論が出せたのにと思っていました。
理由2:前回理事会の議事録確認があった
管理会社によって、前回理事会の議事録を読み上げて確認が行われていました。前回理事会に欠席した方への復習の意味合いがあるのだと思いますが、議事録は、すでに署名・捺印して掲示板に掲示してあります。
石橋を叩いて渡るのも大事なことですが、誤字脱字や内容の確認は、すでに理事長をはじめ確認したことですから、無駄な確認だと思っていました。
理事会で議事録を確認して、万が一誤りを発見したとしても、再度議事録を作成して掲示することはないのだろうと思っていましたから。
理事会の時間を短縮してスムーズに
理事会の開催時間を短縮するために取った手段は、次の2点。これによって従来2時間30分はかかっていた理事会が1時間30分に減りました。理事会が長かった理由が明らかになれば、そのための対策を打てばよいのです。
改善1:議事内容を事前配布
理事会当日に話し合うべき議事内容をあらかじめ、各理事の方々へ事前に資料をメールにて配布することにしました。
理事会で話し合うべき内容を把握して、問題点を共有することができました。中には、管理会社の資料が当日までにしか出揃わないという議案もありましたが、従来の当日初めて知った頃とは雲泥の差です。
改善2:意見を事前に把握
議題に対する各理事の考えをあらかじめ理事会までにメールで回答をもらうようにしました。その回答も、「賛成」「反対」「当日説明を聞いて判断」の3択として、意見がある場合は、メールに書いてもらうことで当日の発言を極力省くことにしました。
全員が一致して「賛成」や「反対」の場合は、詳細説明は極力省いて、理事会の中で結論を出す。意見が割れた場合や「当日説明を聞いて判断」の場合は、時間を取り、説明し、議論して結論を出す。
議題によって時間のメリハリをつけることで、有効な理事会とすることができました。次回予定の理事会日程で良いのかも事前に聞くことで、理事会当日に調整することもなくなったのです。
マンションによっては、直前にならないと理事会の開催日が決定しない場合もあると伺ったことがあります。他の予定が立てられず、理事会出席率の低下を招く原因にもなりますので、事前に次回理事会の日程が調整できるのはよいことだと思います。
改善3:理事会当日の進め方
理事会当日の進め方ですが、改善前は、管理会社が作成した資料の順番に議事を行っていました。事前に「賛成」や「反対」の各理事の意見が分かるので、全て賛成を得られた議事から意見が割れた議事を行うように変更しました。
それによって、数秒で結論が出る議事もあり、じっくりと議論を重ねないといけない議事へ時間を割けるようになりました。管理組合からの報告の中でも、説明を受ければ終わるものと説明後に質疑応答が必要なものまで色々とありますが、事前に意見を把握していますので、どの報告に時間を割くべきかスムーズになりました。
実際の理事会開催時間は
実際の理事会の開催時間を綴ります。9時30分から12時頃もしくは13時頃まで時間がかかっていましたが、11時までに短縮となりました。議事の数や内容の濃さなどによって、一律に比較できるものではありませんが、大幅に短縮できたと思います。
心配なのは、理事会の開催手法が毎年変わるのではないかという危惧です。理事長の手腕によるところも多く、来年の理事会にも継続できるかは不明です。当然、理事長の引継は行いますが、ノウハウを継承して実際の理事会で活用できるのかは疑問です。
おわりに
理事会が長いので、スムーズに進めるため工夫した経験を綴りました。「理事会」の重要性は理解しているでしょうが、工夫次第では短時間の理事会であっても、機能的な理事会が開催できることが分かりました。
「マンション総会の進行はコツ4点を抑えよ」で、進行のコツは、「総会開催前の準備がキモ」と綴りましたが、理事会も開催前の準備がキモなのだと思いました。
理事会当日だけ、うまく進めようと思っても難しく、理事会開催前の準備段階から、理事会は始まっているのですね。
理事会に出席された理事からは、「早くなって、逆に気持ち悪い!」と感想を言われてしまいましたけど、理事会の時間短縮ができたことはよかったと思います。
理事会に長く拘束されるという理由から、理事はやりたくないという人がいるのは確かです。理事会も時間短縮してスムーズに進められるようにしましょう。
理事会が長いのでスムーズに進めるため工夫した経験
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