マンションの理事会ペースはどのくらいで開催するか?
初めて分譲マンションの理事になった方が疑問に思うことは、「理事会のペース(頻度)はどのくらいなのだろうか。」ということです。住みよいマンションのために欠かせない理事会ですが、開催頻度が多いと理事の負担が増えるため、多すぎても少なすぎてもよくありません。どのくらいのペースで理事会が開かれているのでしょうか。
■ 目次 ■
マンションの理事会ペースは
平成25年度マンション総合調査結果〔データ編〕管理組合向け調査の結果(2)の102ページによると、理事会の開催頻度(ペース)は、毎月定期的に開催している管理組合が約半数となっています。
・1か月に1回程度開催している … 1127管理組合、48.5%
・2か月に1回程度開催している … 480管理組合、20.7%
・3か月に1回程度開催している … 404管理組合、17.4%
・6か月に1回程度開催している … 143管理組合、6.2%
・1年間に1回開催している … 70管理組合、3.0%
・開催したことがない … 3管理組合、0.1%
・不明…63管理組合、2.7%
平成25年12月のアンケート調査で、3643管理組合に配布し、2324管理組合から得られた結果を集計した結果です。
「1か月に1回程度開催している」割合は、マンションの完成年次が古くなるほど、また総戸数規模が大きくなるほど高くなる傾向にあることが分かっています。
「1か月に1回程度」であれば、理事の負担が少なく、理事会での審議もスムーズになるのではないだろうか。
ただし、「6か月に1回程度開催」「1年間に1回開催」「開催したことがない」「不明」という管理組合もあることから、きちんと理事会が機能しているのか心配な管理組合も中にはあります。
ご自分の住む分譲マンションでは、理事会が年に何回開催しているのかを確認することは、健全なマンションであるのかを知る一つの指標となるのではないでしょうか。
年に何回理事会が開催しているのかは、管理組合や管理会社に尋ねるか、総会資料に1年間の活動報告として議案書に載せてあるのが普通です。
多すぎても少なすぎてもよくない理由
理事会の開催頻度が、極端に多すぎる場合または少なすぎる場合のよくない理由です。
理事会開催が多すぎる場合
理事会の開催が多すぎる場合は、理事そのもののなり手がいなくなるという危険性があります。選ばれた理事も疲弊して、決めなければならない事柄が決まらないというケースも出てきます。
理事会の成立要件には、管理規約で明確に定めている場合がほとんどです。理事会の成立要件は「理事の半数以上の出席をもって成立する。」と定められています。あまりにも理事会の開催回数が多いと、出席者が集まらず「流会」となってしまうことになります。
理事会開催が多いということは、1回あたりの理事会時間が短くて済むというメリットがありますが、理事のメンバーが集まらないというリスクもあるのです。
理事会開催が少なすぎる場合
理事長の独断で物事が進んでいく可能性が高いのがデメリットです。いつの間にか知らないルールができてしまった。知らずに管理組合の会計から支出されてしまった。十分吟味する前に備品の購入や工事を発注してしまったと管理組合の損害となりかねません。もちろん、理事長の中には、しっかりとマンション運営に携わっていることでしょう。
管理組合との活動とは全く無関係の近所の神社の祭りに寄付として出費してしまうこともあるようです。管理会社と癒着してしまえば、阻止することは困難となります。
マンションのことを思って熱心に理事長を引き受けて頂いていると思いますが、理事長が暴走することもあるので、非常に危険なマンションであると言わざるを得ません。
こういう理事長のことを「ワンマン理事長」と表現しますが、ワンマン理事長を許してしまうと、理事長にとって有利なルールは決まりますが、不利もしくは関心のないルールは決まらないという弊害が起こります。
例えば、理事長がペットを飼っているのでしたら、ペットに関する有利なルールは即座に決定しますが、ペットを飼っていない人にとっては不利なルールになったりします。「自分には甘く他人には厳しい!」というタイプです。マンションを私物化しています。
管理組合の財産を私的に利用するなどの違反行為が起こる可能性もありますし、他の理事や監事からの指摘にも耳を貸さないケースも多々存在します。
マンションの住民が一丸となって、ワンマン理事長の暴走を辞めさせるように力を合わせる必要があり、穏やかなマンション生活からほど遠くなってしまいます。
理事長本人は、「マンションのためを思って活動しているのだ。」「誰も理事長をしないから率先してやっている。」と自負しているため、始末が悪いのがワンマン理事長の特徴です。
おわりに
「マンションの理事会ペースはどのくらいで開催されるのか?」と疑問を持つ人が多いようです。他のマンションと比較して、理事会開催が適切なのかどうか気になる人が多いです。
理事会の開催回数には、決まりがなく、各々のマンションで必要があれば開催するということになっています。マンションでの課題は、一律ではなく様々ありますので、理事会開催にこだわるのではなく、どうしたら快適に過ごすことができるのかを考えるとよいでしょうね。
理事の皆さんは、マンションの住民を代表して理事会へ出席しているのですから、住民にとって身のある理事会になるように心掛けて頂きたいものです。
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